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アグリテックのベンチャー、inahoはアスパラガスの収穫ロボットを実用化し売り出した。オプティムは農場の果実1つひとつが収穫期かどうか診断するAIを開発中だ。摘み取った大葉から出荷基準を満たすものをえり分けるロボットの開発も進んでいる。

 作物の収穫には日別の収穫量予測、刈り取り、検品・仕分けなどの作業がある。これらをロボット、IoT、AI、ドローンの技術によって自動化する取り組みが進んでいる。

 アスパラガスを1本ずつ十分に育ったかどうか見極めたうえで刈り取るロボットが既に発売され稼働している。スマートフォンで撮ったトマト農場の映像を基に、AIによって収穫可能量とその時期を予測する技術が検証段階に進んでいる。さらに、摘み取った大葉から良品だけをえり分けてサイズ別に仕分けし、出荷用に結束するロボットも2020年秋に発売される見通しだ。

十分育ったアスパラは? ロボットが見極め刈り取る
inaho

 作物の栽培で特に身体的負荷が高い作業の1つが収穫作業だ。アグリテックのベンチャー、inahoは収穫作業を自動化するロボットを開発した。

図 inahoの野菜収穫ロボット
図 inahoの野菜収穫ロボット
AIが生育状況を判断して刈り取る(写真提供:inaho)
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 同社が最初に対象とした作物はアスパラガスだ。開発ではロボットでアスパラガスを認識するのに苦労したが、技術を改良し2019年9月にロボットを使った収穫支援サービスを始めた。

 同月、佐賀県南部の太良町でアスパラガス栽培を手掛ける農業法人、A-noker(ええのうかー)が導入した。A-nokerの安東浩太郎代表は「ロボットが大部分を収穫するので、身体的な負担が軽減された」と話す。販路開拓や肥料の研究に時間を割くことができ、アスパラガスの品質向上にもつながったという。

 ロボットはAIによる画像認識と、距離画像センサーを組み合わせて、出荷基準を満たすサイズまで成長したアスパラを選び出す。距離画像センサーによって、照射した赤外線が跳ね返って戻るまでの時間を基に対象物までの距離などを算出する。

 ロボットは収穫すべきアスパラガスを認識すると、アームを伸ばしてその根本をつかむ。そして先端のカッターで刈り取り、ロボットの前方に設置したカゴに入れていく。収穫に要する時間は1本当たり約12秒だ。