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営業スタッフ全員が能動的に動くことで初めて目的を意識した作業が可能になる。やり取りを密にして連携すると、複数作業にまたがるPDCAが回り出す。作業手順を変えるケースから、チームで大きな効果を生む様子を見ていく。

 この連載では主にSE出身の営業担当者に向けて、複数のメンバー(スタッフ)で効果的に営業活動を展開する「チーム営業」の進め方を、筆者の経験とノウハウを基に説明します。

 チーム営業には、作業分担の設定に加えて、それらの作業分担を実際に運用する取り組みが必要です。そのためのポイントは以下の4つです。

1.営業スタッフ全員が作業全体の流れを把握する

2.担当する作業を「自分が責任者」の意識で捉え、対応する

3.担当する作業に関連している作業の詳細を把握する

4.関連する作業の担当者(責任者)と密に会話しつつ作業を進める

 最初のポイントが残り3つの前提となることは前回取り上げました。今回は2~4を説明します。

2.担当する作業を「自分が責任者」の意識で捉え、対応する

 ポイント1で、スタッフは営業全体の作業の流れを把握し、自分が担当する作業の重要性を認識しました。仕事に取り組む動機が生まれ、「目的」を意識した作業が可能になったわけです。

図 「担当者」「責任者」の意識で変わるPDCA
図 「担当者」「責任者」の意識で変わるPDCA
責任者として能動的に考える
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 目的を意識することは大切ですが、それだけでは不十分です。目指す成果を上げるには、スタッフが目的を意識しつつ、それぞれ「自ら能動的に考えて動く」必要があります。そうすることで営業のPDCAが回るからです。目指す成果が出るまで、または成果をさらに高めるために、作業の手順や取り組み方を変化させるようになります。取り組み方とは、自分の仕事のみならず、チームの仕事とどう連携できるかなど、よりよいやり方を常に模索・提案することを指します。「言われてやる」という受け身の態度では、こうしたPDCAを回すのは困難です。

 スタッフが自ら能動的に考えて動くようになるには、「自分が作業の責任者」という意識を持つことが大切です。その作業を実施するだけでなく、作業のアウトプットすなわち成果を上げるための方法を、スタッフ自身が考えるようにするわけです。

 チーム営業で最初から目指す成果が上がることはめったにありません。営業マネジャーは手取り足取り指導したくなるかもしれませんが、全ての作業やスタッフに対して指導するのはまず不可能ですし、すべきではありません。現場から遠いマネジャーが細かい作業内容を考えても、高い効果は期待できないからです。

 現場に近いスタッフが自ら「責任者」となって考えれば、作業レベルのPDCAが回り、成果の向上につなげられます。スタッフだけで考えられない場合はマネジャーが一緒に考えるか、マネジャーが作業手順のサンプルを示して、担当者はそのサンプルを基に実際の作業手順や取り組み方を考える形にするといいでしょう。