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部品価格の高騰でサーバーを中心にハードウエアの価格が上昇している。ユーザーは早期発注により、価格変動のリスクを抑えられる。ソフトウエアに対して円安による価格上昇の圧力が強まってきた。

 「かなりの頻度でダイナミックに価格を変更している」。デル・テクノロジーズの上原宏執行役員製品本部長データセンター ソリューションズ事業統括は、最近のサーバー価格の改定についてこう話す。

 サーバーやストレージ、ネットワーク機器といったハードウエアに価格上昇圧力がかかっている。大きな要因は2つある。1つはハードウエアを構成する部品の価格高騰、もう1つは円安である。現状は前者の影響が大きく、製品ベンダーは値上げを余儀なくされている。円安の影響もじわり広まると見込まれ、情報収集が欠かせない。

 そんな中、比較的早い2022年2月、サーバーの値上げに動いたのが富士通だ。「FUJITSU Server PRIMERGY」の一部製品、オプション製品について標準価格を引き上げた。本体装置が約10%の値上げ、オプション製品は約30%からの値上げである。同社は値上げの理由として、半導体や各種原材料などの世界的な供給不足による調達価格の高騰、物流コストの上昇などを挙げる。

 日立製作所も同様の理由から、国内のストレージやサーバーの一部モデルやオプションなどの価格改定を2022年4月から5月にかけて実施済みだ。

 ハードウエア製品を構成する部品価格はどれくらい上昇しているのか。サーバーについてデル・テクノロジーズの上原執行役員は「約2年前の2020年4月に比べると2022年5月時点で、メモリーが2倍、CPUとSSDは10~20%値上がりしている」と指摘する。

 ストレージも部品価格上昇の影響を受けるものの、サーバーに比べれば軽微といえる。デル・テクノロジーズの森山輝彦ストレージプラットフォームソリューション事業本部システム本部ディレクターは「SSDの価格は上がっているものの、ここ2年間で価格を改定したのは2022年になって1回だけ。SSD部分だけなので値上がり幅は数%程度。典型的なストレージではSSDの価格が占めるのは半分以下なので、全体では吸収できる範囲だ」と話す。

 半導体不足に加えて、石油価格や物流コストの高騰、需要の急増による部材の取り合いなどが相まって、部品価格の上昇基調は今後も続きそうだ。そこに円安の影響がのしかかかれば、価格はさらに上がる。

 NECは「円安の影響を受け、ハードウエア全般で2022年7月から順次価格改定を予定している」(広報)。サーバー、パソコン、ネットワーク機器などを中心に総じて10~15%の値上げを実施するという。

図 国内大手ベンダーにおける価格改定の動向
図 国内大手ベンダーにおける価格改定の動向
ハードウエアが値上げに
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 これからのハードウエア調達でユーザーはどう動けばよいのか。デル・テクノロジーズの上原執行役員は「値上げと値下げのどちらの要因でも、早く価格転嫁していく方針だ。部品の価格が上がると考えるなら早く注文してほしい」と顧客に伝えている。

 ITプロジェクトの先行きが見通せるなら、ハードウエアの早い発注で、その後の価格変動リスクを抑えられる。日立も早期購入を促すキャンペーンを実施中だ。同社のサーバー、ストレージ製品を最短1カ月で顧客に届ける。2022年9月30日までの発注分が対象で、一部の製品は在庫限りである。