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保険業界の外にはディスラプターがひしめき、内には人口減などの構造不況がある──。「脱保険」を掲げ、保険や介護のデータを生かすプラットフォーマーへの移行を宣言した。国内外の有力スタートアップと次々と連携、「データを持つ会社は強い」と話す。

(聞き手=浅川 直輝、外薗 祐理子)

桜田 謙悟(さくらだ・けんご)氏
桜田 謙悟(さくらだ・けんご)氏
1956年東京都生まれ。1978年早稲田大学商学部卒業、安田火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社。金融法人部長や最高情報責任者(CIO)などを経て、2010年7月に社長就任。2012年4月にNKSJホールディングス(現SOMPOホールディングス)社長に就任。経済同友会代表幹事も2019年4月から務めている。(写真:村田 和聡)
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デジタル事業に注力する理由は。

 2007年に損害保険ジャパンのCIO(最高情報責任者)になりました。その頃から、デジタルディスラプション(デジタル技術を使った創造的破壊)をずっと見てきました。

 ディスラプター(破壊者)は業界の外から入ってきます。既成概念にとらわれていません。もしルールがあれば、いい意味でルールを壊しにいこうとします。だから怖いのです。

 ディスラプターの武器はテクノロジーです。テクノロジーが先にあって、どの分野に進出するかは後付けです。

ディスラプターを脅威に感じていたのですね。

 ものすごく感じていました。

 例えばフィンテックという言葉がありますが、ディスラプターの発想は「テックフィン」なのではないかと思っています。進出先に銀行業や保険業をイメージしたわけではなく、「ユーザーをハッピーにするために自分たちの技術を使ってできることは何か」と考えたら、たまたま同じようなところに銀行や保険会社もいたという話ですよね。だから、まずテクノロジーありきという点で「テックフィン」であり「テックインシュア」なのです。

 テクノロジーが先にあると意識しなければ、どうしても既にある業界ルールにのっとって物事を考えてしまう。そうすると、今起こっている第4次産業革命についていけず取り残されてしまいます。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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