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 時田改革の柱の1つが国内グループ企業の再編である。全国に散らばる「ミニ富士通の解消」(時田社長)を目指し、2020年10月に国内事業を総括する富士通Japanを設立した。

 前述の通り、富士通Japanには、富士通本体に加え、富士通マーケティングや富士通エフ・アイ・ピーといったグループ会社から、大企業を除く国内ビジネスの主要機能を集約した。顧客数は約18万社。国内富士通グループに占める富士通Japanの売上高と従業員数はそれぞれ26%と14%である。

図 富士通グループの主な再編の動き
図 富士通グループの主な再編の動き
国内事業を集約した
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 時田社長はグループ全体の改革の進捗について「5合目に達している」とする。ただ、富士通Japanの窪田雅己会長は自社の改革について「まだスタートラインに立ったところでしかない」と厳しく見る。

富士通Japanの窪田雅己会長(写真:陶山 勉)
富士通Japanの窪田雅己会長(写真:陶山 勉)
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 事実、富士通Japanの2021年度の受注高は2020年度の9割にとどまった。コロナ禍や半導体不足などの影響はあったものの、富士通グループの他のセクターはおおむね計画通りに受注高を積み上げている。

 「2021年度は生みの苦しみがあり、もがきながら進んだ1年だった」。窪田会長はこう振り返る。受注高低迷の原因の1つが、グループ内でのビジネス移管が停滞したことだ。

 再編の結果、既存顧客との契約を再編前のグループ会社から富士通Japanに切り替える必要が生じた。数千、数万という契約の切り替え事務の工数は「当初予定の3~4倍かかった。取り組むほどに問題が生じ、走りながら何とか軌道修正してきた」(窪田会長)。再編前の各社でシステムや売り上げ計上のルールなどもバラバラだった。

 何より苦労したのはビジネスモデルの変革だ。富士通Japanは事業の軸足を、再編前に主軸としていたハードウエア販売ではなく、事業企画の支援やサービスといったソリューションに据えた。ただ、こうした変革は当初は思うように進まなかった。同社のビジネスが軌道に乗り始めたのは2021年度末ごろという。