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 優れたIT活用事例に贈賞する日経コンピュータ主催の「IT Japan Award」。12回目のグランプリに日本航空(JAL)が輝いた。50年使い続けた基幹系システムの刷新という未曾有のプロジェクトについて、7月11日の贈賞式後の講演で責任者が核心を語った。準グランプリの双日ツナファーム鷹島と三井住友カード、特別賞のRIZAPグループとWILLER EXPRESS JAPAN、オリックス・ビジネスセンター沖縄の事例も併せて紹介する。

特別講演する日本航空の西畑智博執行役員イノベーション推進本部長(写真:井上 裕康)
特別講演する日本航空の西畑智博執行役員イノベーション推進本部長(写真:井上 裕康)

 「このTシャツは取締役会でも着用したSAKURAプロジェクトの正装。Tシャツを着てお話しすることをお許し願いたい」。JALの西畑智博執行役員イノベーション推進本部長はこう言って50年間使い続けた基幹系システムを刷新した「SAKURAプロジェクト」について語り始めた。

 日経コンピュータが掲載したIT活用の先進事例のなかから、有識者を交えた「IT Japan Award 2018」審査委員会が満場一致でグランプリに選出したのがJALのSAKURAプロジェクトだった。AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)などを活用した最新のデジタル事例が多数ノミネートされるなか、基幹系システム刷新の案件がグランプリを制した。

 プロジェクト責任者の西畑氏や経営トップが強いリーダーシップを発揮し、経営陣から2000人に及ぶ社内外のプロジェクトメンバーに至るまで一体感を醸成、困難なプロジェクトを完遂させた点が評価された。西畑氏が正装と呼ぶTシャツはまさに「一体感」の象徴である。

 審査委員長を務めた日経BP総合研究所の桔梗原富夫フェローは「困難なプロジェクトを成功させるうえで最も重要なのはトップの強力なリーダーシップの下で全員の意識を統一すること。SAKURAプロジェクトはその大切さを教えてくれた」と指摘した。

 準グランプリの双日ツナファーム鷹島と三井住友カードはマグロの養殖、与信管理といったそれぞれの本業でAIを活用し、人手による作業以上の成果を上げた。特別賞のRIZAPグループとWILLER EXPRESS JAPAN、オリックス・ビジネスセンター沖縄は本業でのデータ活用で顧客サービスの向上、安全性の確保、業務の効率化といった成果を出した。それぞれがデジタル時代を象徴する事例と言える。

 IT Japan Awardは日経コンピュータが2007年に創設。IT活用事例に光を当て、成功のノウハウを共有するのが狙いである。今回は日経コンピュータ2017年5月11日号から2018年4月26日号に掲載した事例を対象とした。