(写真:Getty Images)
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コロナ禍で多くの開発チームがテレワークに移行した。急な在宅勤務で対話がなくなり、戸惑ったエンジニアもいただろう。アジャイルなどコミュニケーション重視の開発体制ではなおさらだ。その結果、開発の生産性が落ちた現場もある。テレワークによる開発で最大の壁となるのは「コミュニケーション不足」。それはツールの活用で乗り越えられる。遠隔でのアジャイル開発に取り組む現場に学ぶ。

 「テレワークの結果、開発生産性を下げる現場が増えている」――。システム開発コンサルティングを手掛ける、アビームコンサルティングの安藤裕介P&T DigitalビジネスユニットITMSセクターダイレクターはコロナ禍におけるシステム開発の状況をこう指摘する。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの開発チームが緊急策として在宅勤務に移行した。リモート(遠隔)ではオフィスと同じようにチーム内でコミュニケーションを取るのは難しい。開発生産性が下がるのは無理もないだろう。

 一方、リモートでアジャイル開発を進めるチームの中には、改善を積み重ねて開発生産性を維持あるいは向上したケースが少なくない。

 それらのチームはリモート開発のどんな「壁」に直面し、どう乗り越えたのか。新型コロナウイルス感染の再拡大に備えて、急な開発要請に対応できるようにリモート開発の体制を整える重要性が高まっている。

 リモート開発の現場取材で浮かび上がった壁は3つある。「状況把握」の壁、「ホワイトボード」の壁、「ネット環境」の壁だ。いずれもリモートでのコミュニケーションの難しさに起因したり、それを増幅させたりするものだ。

 それぞれの壁によって起きる具体的な問題とその改善策を、事例を通じて見ていこう。