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配車アプリから半導体、自動運転、金融、医療、衛星通信、農業、鉱山開発まで――。孫正義氏が率いるソフトバンクグループと10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先は一見するとバラバラであり統一感が全くない。出資先への取材を基に孫氏の目利き力を検証する。

 ソフトバンクグループは10兆円ファンドを通じて世界の有力なIT企業への投資を加速している。特にAI分野を重視、孫正義会長兼社長はAIについて「人類史上最大の革命だ」と言い切る。投資戦略の狙いや後継者問題などについて、決算発表会での発言を基にインタビュー形式でまとめた。

10兆円ファンドによる「群戦略」の特徴と狙いは。

 ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)は大体のケースにおいて20%から40%近い株式を持ち、筆頭株主あるいはそれに近い立場で、その会社の経営に影響を与えるグループを構築しています。情報革命のシナジーを出し合う戦略的集団だと我々は捉えています。

 51%(の出資)を必ずしも取りに行くのではなく、我々のブランドで染めるわけでもなく、我々が送り込む経営陣によって、子会社としてマネジメントするわけでもない。ベンチャーキャピタルのように3~5%持って上場したらすぐに売る短期的取引でもない。

 血のつながりを持った資本的提携であり、もっと重要なのは「情報革命」という志、ビジョンを共有している起業家集団ということです。「同志的結合」というソフトバンクなりの新しい概念のあり方です。

ソフトバンクグループ 会長兼社長 孫 正義 氏
ソフトバンクグループ 会長兼社長 孫 正義 氏
(写真:陶山勉、以下同)
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