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実務としてデータ分析に取り組む際に身につけておくべきスキルを解説する。取り上げる内容は「データ分析実務スキル検定」の出題範囲に沿っている。データサイエンスは「何らかの知見やインサイト(洞察)を導き出す」ことがポイントだ。

 2010年代に始まった「ビッグデータブーム」を皮切りに「AI(人工知能)ブーム」が到来し、最近では「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といった言葉がよく聞かれるようになりました。DXとは何か、その定義については議論の余地があるようですが、筆者は、「デジタル技術を用いてビジネスを変革すること」だと理解しています。

 このようなビジネスの変革が必要になった背景には、「ディスラプター」と呼ばれる、生まれながらにしてデジタル技術を駆使してビジネスを行う新興企業の存在があります。

 レンタルビデオショップを例に考えてみましょう。最近では、レンタルビデオショップに足を運び、DVDを借りる人は少なくなっているのではないでしょうか。

 事実、2006年と2018年のレンタルビデオ店の数を比べると、2018年は2006年の約半数にまで減少しています。その背景には、「YouTube」や「Netflix」といった動画配信サービスの台頭があります。

 わざわざレンタルビデオ店に行かなくても、ボタンを数回押せば好みの作品を鑑賞できるわけですから、消費者にとってはとても便利なサービスと言えます。一方、レンタルビデオ店側から見ると、これまでのビジネスを継続できなくなるという深刻な事態が起きているわけです。

 レンタルビデオ業界の話は1つの例にすぎず、同様の現象が今後、さまざまな業界で起こると言われています。

 このような時代になって、必要性が急速に高まっているのが「データ活用」です。ビジネスの中でデジタル技術を使うとなったとしても、そもそもデータの存在がなければ何も始められません。データ活用はデータサイエンティストやデータエンジニアといったプロフェッショナルだけのテーマではなく、企業全体、全てのビジネスパーソンにとって重要なテーマになりつつあります。

 ここでは、実務としてデータ分析に取り組む際に身につけておくべきスキルを解説します。取り上げる内容は、「データ分析実務スキル検定」の出題範囲に沿っています。筆者が所属するデータミックスを中心に、メルカリやベイカレント・コンサルティングなどさまざまな企業で活躍するデータ分析実務家11人が集まって作った検定試験です。本連載の内容を学習すれば、データ分析実務スキル検定の対策もできるでしょう。