
(イラスト:Getty Images)
無駄を削って企業をもっと強く、小さな異変に即応して社会をより安全に――。企業や組織、人々や社会の思いをかなえるために、「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」が日本全国で使われ始めた。通信料金がLTEより桁違いに安く、省電力が売りの通信規格だ。IoTの時代における通信手段の大本命である。トヨタ生産方式のさらなる効率化、河川の水量監視コストの9割削減など、LPWAを貪欲に使いこなす九つの先進事例を紹介しよう。
無駄を削って企業をもっと強く、小さな異変に即応して社会をより安全に――。企業や組織、人々や社会の思いをかなえるために、「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」が日本全国で使われ始めた。通信料金がLTEより桁違いに安く、省電力が売りの通信規格だ。IoTの時代における通信手段の大本命である。トヨタ生産方式のさらなる効率化、河川の水量監視コストの9割削減など、LPWAを貪欲に使いこなす九つの先進事例を紹介しよう。
日本の製造業における強さの源泉とも言えるトヨタ生産方式。その強みをさらに磨くために「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」を活用する取り組みが始まっている。仕掛けたのはデンソー子会社で生産現場や物流向けのシステム開発を手がけるデンソーエスアイとNTTドコモだ。
タワーマンションが林立する東京・勝どきでは2018年7月からLPWAを活用した宅配ボックスが稼働し、住民の生活を支えている。物流ベンチャーのウィルポートが提供する宅配ボックス「まいどうもポスト」は仏シグフォックスが開発したLPWAの「Sifgox」で扉の開閉をサーバーに通知する。
LPWAに着目するのは民間企業だけではない。自治体が行政サービスの拡充を狙い、街ごとLPWAのエリアを構築する例もある。福岡県糸島市はIoTベンチャーであるBraveridgeと共同で市役所など20カ所にLoRaWANの親機を設置し、住民サービスを提供している。