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通信料金がLTEより桁違いに安く、省電力が売りの通信規格「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」が日本全国で使われ始めた。LPWAを貪欲に使いこなす先進事例を紹介しよう。

 日本の製造業における強さの源泉とも言えるトヨタ生産方式。その強みをさらに磨くために「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」を活用する取り組みが始まっている。仕掛けたのはデンソー子会社で生産現場や物流向けのシステム開発を手がけるデンソーエスアイとNTTドコモだ。

 トヨタ生産方式と言えば「かんばん」だ。製造ラインで使う部品やその調達元メーカーの情報などを記載したタイムカード大の伝票をかんばんと呼ぶ。かんばんは部品を入れた箱に挿し込まれている。作業員は箱の中の部品を使い終えるとかんばんを抜き取り、製造ライン近くに置いた「ポスト」に投函する。これまではポストに投函されたかんばんを約50分おきに担当者が回収し、それを基に使用した部品と同数の部品を調達部門が発注することで在庫量の最適化を図っていた。

 デンソーエスアイは一連のプロセスをさらに効率化するため、ポストに代わる小型のカードリーダー「電子ポスト」を開発した。かんばんをカードリーダーに通すと、瞬時にその情報が調達部門に送られる。その際の通信技術にLPWAの一種である「LoRaWAN」を採用した。電子ポストはトヨタ生産方式を導入する中京エリアの工場へ2018年2月に導入した。

図 デンソーエスアイが開発した、LoRaWAN対応の「電子ポスト」
「かんばん」の読み取り機にLPWAを活用
図 デンソーエスアイが開発した、LoRaWAN対応の「電子ポスト」
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 データが瞬時に調達部門に送られるため、「ジャスト・イン・タイムの効率を高められる」(デンソーエスアイの西尾三郎ソリューション事業部副主任)。各ラインからの発注量が増えトラック便が満載になりそうな場合も、調達部門は状況を事前に把握して対処できる。各ラインの部品残量などを踏まえて入荷便を柔軟に調整しやすい。

 以前は担当者がかんばんを回収していたため、投函から回収までに最大約50分のタイムラグがあった。時間帯ごとに補充する部品の量にも差があり、部品を配送トラックに積みきれず後の便に回すことがあった。反対に積み荷が少ない便もあった。