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 経済産業省、東京証券取引所、情報処理推進機構(IPA)は2022年6月7日、日本におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の先進企業と位置づけられる「DX銘柄2022」を発表した。前身の「攻めのIT経営銘柄」から数えて8回目となる今回は2021年より5社多い33社がDX銘柄に選定された。

 グランプリを獲得したのは日本瓦斯と中外製薬。この2社をはじめ、選定企業の大半はDXの取り組みを全社に広げている。一般に、先行して取り組むパイロットのプロジェクトでは、高い参画意識とスキルを持ち合わせた社員、取り組みやすいテーマといった好条件がそろっている。特定の部署だけが対象なので、DXで目指すビジョンの浸透も比較的やりやすい。

 これに対してDXの全社展開は、部署や社員ごとに温度差があり一筋縄ではいかない。DXのビジョンを浸透させたうえで、業務の現場を組織的に支援することが不可欠だ。支援とは、社員一人ひとりの参画意識やスキルを高める、アイデアの創出を促す、プロジェクトの問題解決を助ける、といったことである。こうした役割の担い手として、DX推進部門を拡充したり、強い権限を持つCDO(最高デジタル責任者)を任命したりするのは今や定石だ。

 DX銘柄2022の選定企業はDXの全社展開において、どのような組織的支援をしているのか。グランプリの2社である中外製薬と日本瓦斯に加えて、特徴的な取り組みをしているLIXIL、IHIの計4社の事例を順に取り上げる。

表「 DX銘柄2022」の選定企業
日本瓦斯と中外製薬がグランプリに。白抜き文字で表した4社の事例を取り上げる
表「 DX銘柄2022」の選定企業
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