
(写真:Getty Images)
年を追うごとに深刻化する人口減少などを背景に、国内の様々な産業で取り組んできたロボットの社会実装。それがこの半年ほど、実用化へ向けて一挙に加速し始めた。きっかけは新型コロナによる社会の変革だ。物流・宅配、飲食店、オフィス……。あらゆる場所が、人とロボットの共生を前提に再設計され、ロボット活用はデジタル革新のツールにもなっている。「新しい生活様式」の中にロボットが溶け込む「ロボット共生社会」に向けた現状と課題をリポートする。
リアル空間のDXが始まる
年を追うごとに深刻化する人口減少などを背景に、国内の様々な産業で取り組んできたロボットの社会実装。それがこの半年ほど、実用化へ向けて一挙に加速し始めた。きっかけは新型コロナによる社会の変革だ。物流・宅配、飲食店、オフィス……。あらゆる場所が、人とロボットの共生を前提に再設計され、ロボット活用はデジタル革新のツールにもなっている。「新しい生活様式」の中にロボットが溶け込む「ロボット共生社会」に向けた現状と課題をリポートする。
労働力不足や、感染症対策としての非接触・非対面のニーズの高まりを受け、人に代わって人を手助けするサービスロボットの導入が進む。環境や運用ルールの整備も進み、「ロボットと共生する街」の実現が近づいてきた。
表情豊かなロボットが公道で荷物を運び、多忙な宿泊施設では食材を客に届ける。巨大な物流倉庫では、作業棚の運搬やピッキングをロボットが担い作業員を助ける。人とロボットの二人三脚による物流DXで、宅配クライシスとコロナ禍に立ち向かう。
新型コロナウイルスの大流行をきっかけに飲食店でロボット活用が広がり始めた。「密」回避に加えて、真の狙いは効率化によるコスト削減だ。人手不足という課題を抱えるコンビニもロボットによる商品陳列の試験運用を開始した。
新型コロナ禍の長期化によりテレワークの常態化が進む中、コミュニケーションの促進だけでなく労働力不足の解消のためにも、オフィスで分身(アバター)ロボットを活用する例が広がりそうだ。