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Windows 7のサポートが2020年1月14日に終了した。だが法人だけでいまだに750万台が稼働中とされる。「WannaCry(ワナクライ)」の再来といった深刻な事態を招く恐れがある。

 Windows 7のサポート終了により、今後はセキュリティーの脆弱性やその他の不具合を修正する更新プログラム(パッチ)が提供されなくなる。しかし、日本マイクロソフトの推計によれば、日本国内におけるWindows 7の稼働台数は2020年1月時点で法人が753万台、個人が638万台。この状況を放置すればマルウエア感染などが広がり、深刻な事態を招く恐れがある。Windows 10への移行が急務となっている。

サポートが終了したWindows 7を起動すると警告画面が表示されることがある(画面提供:日本マイクロソフト)
サポートが終了したWindows 7を起動すると警告画面が表示されることがある(画面提供:日本マイクロソフト)
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半年で158件の脆弱性

 情報処理推進機構(IPA)のデータベースには2019年1~6月にWindows 7関連の脆弱性が158件登録された。このうち全体の55%に当たる87件が、3段階で最も深刻な「レベル3」の脆弱性だった。仮にWindows 7のサポート終了後に同様のペースで新たな脆弱性が発見されたとしても、セキュリティーリスクを根本的に解消できない。「結果として、脆弱性を悪用した攻撃による情報漏洩や意図しないサービス停止などの被害が生じる可能性が高くなる」とIPAは警告する。

 日本は2020年夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控える。国際的なイベントの前後は開催国の企業・組織へのサイバー攻撃が増えるとされる。法人だけで700万台以上残るWindows 7搭載パソコンが格好の標的となる懸念がある。

 具体的にどのようなリスクがあるのか。NRIセキュアテクノロジーズの浅野岳史上級セキュリティコンサルタントは「Windows 7搭載パソコンに残った脆弱性を契機に、マルウエアが一気に広がる懸念がある。Windows XPのサポート終了後に広がった(ランサムウエアの)WannaCryのような事態が起こるかもしれない」と指摘する。

 WannaCryは2017年春ごろに世界的にまん延し、日本企業でも感染によってWindows搭載パソコンが使えなくなる事態が多発した。WannaCryは当時既にサポートが終了していたWindows XPや、当時の主力OSだったWindows 7などに共通する脆弱性を悪用して感染を広げるマルウエアだった。感染するとファイルを勝手に暗号化して利用不能にし、暗号解除のために「身代金」の支払いを要求する画面が出る。

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