
(写真:Getty Images)
「データ経済」の時代に日本企業がますます海外企業に後れを取る―。複数の有識者がそんな懸念を抱いている。産業の主導権を争う「戦場」から日本企業が姿を消して久しいからだ。その戦場とは、ITに関わる仕様や規格を統一する国際標準化の舞台だ。海外企業は経営戦略の一環としてデータ仕様の国際標準化に取り組んでいる。このままでは海外企業が決めたルールに従うだけの「データ敗戦」に陥りかねない。危機的な実態と日本企業の巻き返し策を探る。
データ時代の「標準化」競争が始まった
「データ経済」の時代に日本企業がますます海外企業に後れを取る―。複数の有識者がそんな懸念を抱いている。産業の主導権を争う「戦場」から日本企業が姿を消して久しいからだ。その戦場とは、ITに関わる仕様や規格を統一する国際標準化の舞台だ。海外企業は経営戦略の一環としてデータ仕様の国際標準化に取り組んでいる。このままでは海外企業が決めたルールに従うだけの「データ敗戦」に陥りかねない。危機的な実態と日本企業の巻き返し策を探る。
他社と協調して寡占企業に挑む、意外な手段で相手を出し抜く―。米国のIT大手は国際標準化を舞台に、激しい駆け引きを繰り広げている。知られざる主導権争いの裏側をのぞいてみよう。
デファクトスタンダードがもてはやされたのは過去の話だ。今日のデータ時代においては、デジュール標準が再び中心に位置する。しかし標準化のプロセスや様々なルールは、ハード時代に比べて一変した。
国際標準化を舞台にした競争は、今後あらゆる産業で起きる。AI(人工知能)に欠かせないデータの仕様を巡る標準化がその1つ。日本企業はどう戦うべきか。野心的な取り組みが始まっている。