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アーキテクチャーまで踏み込む

具体的には何が課題でしょうか。

 個別の最適化は結構できていたと思います。政府CIO制度や内閣官房IT総合戦略室などを設け、個別のシステムに助言するようにした結果、システム運用コストを約3割減らせる見込みです。ただ根本的なシステムの基本構造を見直すところまでは難しかった。

 政府のITシステム予算は年間約7000億円あります。このうち3000億円が新規システム投資などで、4000億円が維持管理です。この構造を大転換するには、あるべきアーキテクチャーを整理したうえで、最終的にその姿を実現することが望まれます。

(写真:的野 弘路)
(写真:的野 弘路)
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 個別システムの最適化をはるかに超える大仕事です。しかしアーキテクチャーまで踏み込まなければ日本のデジタル化はうまくいかない。そう考えたことが、デジタル化の司令塔であるデジタル庁を創設するというアイデアにつながったと理解しています。

 IT予算の一括要求に加え、国民のサービスに直結する重要なシステムについてはデジタル庁が自ら調達し、構築する仕組みをつくります。「2025年の崖」の懸念からDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めなければならないのは民間企業だけではなく政府だって同じです。

DXをどう進めますか。

 システムだけを変えても意味がないので、業務プロセスを変えるBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)や大胆な規制改革とセットで進めなければなりません。そこで、河野(太郎規制改革)大臣と週1回打ち合わせをしています。

 BPRを伴わないシステム開発はしません。河野さんが全府省にはんこの廃止を要請したのは象徴的だと思います。そもそもはんこを押す意味は何かを突き詰めると、ほとんどのはんこは不要という結論になったわけです。