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前例主義から脱却

 菅(義偉)首相の基本理念は、「今までそうだったから」という前例主義からの脱却です。我々も前例にとらわれずにやっていきます。

 それから国民との接点となるUI、UXを重視します。これまではあまり重視してこなかったので、改善すべき行政サービスは数限りなくあります。UI/UXに精通したベンチャー企業の人たちにも協力を仰ぎたい。(行政サービスの窓口である)自治体とも一緒につくることになるでしょう。

 私はIT担当相を務めた2019年9月に「自治体ピッチ」を立ち上げました。実装されている自治体システムの見本市のようなもので、2020年度はオンラインで開催しました。

(写真:的野 弘路)
(写真:的野 弘路)
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 ある自治体のサービスやアプリを、別の自治体でそのまま採用したケースも出てきました。国だけでなく自治体のシステムにも標準化を求めていきます。今後、自治体システムの標準化が進めば、こうしたベストプラクティスの展開も増えていくでしょう。

国民起点の行政サービスの要はマイナンバー制度になりますか。

 マイナンバー制度の本質は、デジタル社会のIDなんですよね。これまでIDなきままデジタル化を進めてきたわけです。これも反省点で、だからこそ本当の意味でのイノベーションが起こらなかったし、行政サービスのワンストップ化もできなかった。

 実はこの国の行政機関は個別にはIDをたくさん振っているんです。しかし全体像を分かっている人がいない。「ベース・レジストリ(住所や氏名など社会全体で使う基本的な情報の共通データベース)」を整備し、データに関するルールをつくるのもデジタル庁の役割です。

 データガバナンスも強化して、国民のためにデータをうまく活用するというデータ戦略の枠組みを、2020年内にまとめる予定です。新型コロナ対策で自治体をまたいだデータ活用を阻んだとされる「個人情報保護法制2000個問題」についても、ルールを共通化する方向で関連法案を出したいと思っています。