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規制改革の象徴で、成長戦略の柱

デジタル庁の役割は何ですか。

 まさに議論をしているところで確定的なことは言えないのですが、IT基本法をデジタル社会の推進のために抜本的に改正し、その実現手段としてデジタル庁の役割を記します。

 目指す社会の姿は経済成長と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」であり、それを実現するためになぜデジタル化が必要かを、IT基本法にしっかり書き込まなければ前に進めないと思っています。「デジタル化の憲法」に当たるIT基本法の改正が最も重要で、そのうえでデジタル庁の基本方針などが決まると思います。

(写真:的野 弘路)
(写真:的野 弘路)
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 デジタル庁は規制改革の象徴であり成長戦略の柱です。(行政DXの)主戦場は、政府系システム、重要インフラのシステム、国民がよく使うであろう行政サービス、自治体との連携などになってきます。医療・教育・災害・金融といった分野のデジタル化にも先行して取り組みます。

デジタル庁に求める人材像は。

 一言で言うなら、「次の時代をこうつくりたいという熱意と技術、能力を持った人」になると思います。

 2020年9月30日に各省庁から若手を含め合計50人を集め、デジタル改革関連法案準備室が発足しました。菅首相の最初の訓示は「出身省庁のことを考えずにやってほしい」との内容でした。

 今までの仕事に関係なく、法案作成に必要な仕事を割り振っています。自由に意見が言えるフラットな組織にして霞が関の新たな文化にしたい。

アジャイル政府を目指す

 デジタル改革を推進するための関連法案が7~8本あって、並行して新しい庁をつくるなんて、これまでの霞が関にはなかったミッションです。来年にはお披露目しなければならない。

 だから「Government as a Service」ではなく「Government as a Startup」という標語を掲げました。官僚が自分のリソースを生かして、国民のために社会貢献型のスタートアップをつくるならどうなるのか。若い人にはやりがいがあるのではないでしょうか。

「今までの政府システムはベンダー任せだったのが問題」と発言していました。脱却するには何が必要でしょうか。

 自ら発注する能力を持った人を育て、国民目線を持ち続けることです。デジタル庁に対する国民の支持が高くなければ、この組織は霞が関(既存の省庁)に負けてしまう。

 デジタル化のプロセスを徹底的に透明化します。物事が決まった段階で発表するのが今までのやり方でしたが、私自身も情報を発信し、試行錯誤している状況を表に出します。まさに「アジャイルガバメント」です。