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 「IT資格実態調査」は日経BPの技術系サイト「日経クロステック」の会員にアンケート形式で回答してもらうものだ。2017年から毎年実施しており、今回の調査は5回目に当たる。

 今回の調査結果で特筆すべきは、新型コロナ禍で落ち込んだ資格保有数や取得意欲が総じて持ち直してきたことだ。さらに、「役に立つ資格」としてシステム監査関連の資格が浮上したのに加え、ITベンダーの認定資格でAmazon Web Services(AWS)やGoogle Cloudなどのクラウド関連資格が上位を占めたのもポイントに挙げられる。

 まずは、保有している資格の状況を見る。最も多かったのは「基本情報技術者」で176人が保有する。全回答者284人に占める回答率は62.0%だ。

図 保有している資格
図 保有している資格
保有資格のトップ3は前回から変化無し
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 2位は「応用情報技術者」で152人(回答率53.5%)、3位は「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」で67人(同23.6%)だった。トップ3の顔ぶれと順位は、2020年9月の前回調査と同じだった。

 トップ3の回答率、言い換えれば「資格の保有率」は前回調査に比べていずれも上がった。基本情報技術者の回答率は前回57.1%だったので、4.9ポイントのプラスだ。応用情報技術者は前回に比べてプラス11.5ポイントと、選択肢とした49種類の資格で最も伸びが大きかった。情報処理安全確保支援士はプラス1.0ポイントだった。

 前回からの伸び率が大きい資格の2位は「情報セキュリティマネジメント」でプラス9.8ポイント、3位は「プロジェクトマネージャ」でプラス9.6ポイントである。

 2020年は新型コロナウイルス対策で、情報処理推進機構(IPA)が「令和2年度春期試験」の全試験を中止、「令和2年度10月試験」では資格によって試験が見送られるなど受験機会が少なかった。特に保有率が大きく伸びた資格については、それらの反動があったと考えられる。

 保有率の上昇傾向は資格全体にわたる。全回答数を回答者数で割った「1人当たりの資格保有数」は3.80。前々回が4.35、前回が3.26だったので、やや持ち直した。

 保有率が前回より下がった資格は18個あった。下げ幅が最も大きいのは「ITIL系(ITILファンデーション試験など)」でマイナス5.7ポイント。続いて、「技術士(情報工学部門)」のマイナス2.7ポイントだった。一過性の現象なのか今後を注視したい。