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AI(人工知能)の導入プロジェクトを成功に導くには「AI Driven」の考え方が欠かせない。ビジネス上の意思決定にAIを活用する段階を経て、ビジネスモデル変革に進める。AI Drivenで注力すべき、組織とビジネスに関する5つの領域を紹介する。

 多くの企業がAI(人工知能)の活用に関心を持ち、ビジネスにAIを取り入れ始めています。しかしAI活用は一筋縄ではいきません。チャレンジしたものの期待する成果を上げられず、途中で断念してしまうケースは少なくありません。

 本連載では、企業のAI活用における導入支援を手掛けてきた筆者が執筆を担当し、AI活用に成功するために必要な考え方や組織づくり、体制づくり、AI活用プロジェクトの推進方法など、各プロセスを詳しく解説していきます。

 今回は、本連載でのAI活用のキーワードである「AI Driven」とは何かを整理し、次回以降で取り上げるテーマを紹介します。

AI Drivenには2つの段階がある

 筆者はビジネス、オペレーション、マネジメントなどの面から企業へのAI導入支援を行っています。支援内容としては組織改革、人材育成、プロジェクト管理、AIガバナンスと幅広く、AI導入に当たっての課題解決のために一緒に取り組むことも多くあります。

 さて、本連載ではAI Drivenをタイトルに掲げていますが、AI Drivenとはどういう状態を指すのでしょうか。筆者は2段階があると考えています。

図 AI Drivenに至る2段階
図 AI Drivenに至る2段階
意思決定からビジネスモデル変革へ
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 初めは、ビジネス上の意思決定をAIを活用して行う状態です。AIを使って既存のビジネスの一部を効率化、自動化するにとどまらず、社内のあらゆるビジネス意思決定にも反映させることです。

 次の段階では、ビジネスモデルを変えるところまで進めます。恐らく、今後多くの業界では、ビジネスモデルを変えることなく、効率化やコストカットだけで海外の企業に立ち向うのが難しい時代がやってきます。2つ目の段階に到達するためには、組織改革やビジネス変革が必要で、これは企業にとって大きなチャレンジとなります。

 現状では、1つ目の段階に至っている企業ですらまだ少なく、第2段階まで進んでいる企業は、海外を含めてもほとんどありません。大企業の中ではAI導入に取り組もうとしている企業は9割を超えているはずですが、そこから定常的にビジネスの意思決定に活用している企業は1%くらいと見ています。