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解決すべき課題を評価して継続検討する課題を選び、業務部門の代表者から解決策のアイデアを集める。今回は問題分析ミーティングのクロージング方法を解説する。

 本連載で取り上げている業務改革型DX(以下DX)は、デジタル技術を使って業務のやり方を改革し、生産性を高めたり新たな付加価値を創出したりする取り組みです。

 DXの推進に当たっては、まず、DXに取り組む目的を明らかにした上で解決すべき課題を決定します。そして、デジタル技術を使った課題の解決策を検討、実行します。

 DXの目的を実現するための「解決すべき課題」は、次の3つの条件を考慮して決定します。

  • 業務部門の代表者であるプロジェクトリーダー(PL)や検討メンバーが解決したいと考えている
  • 解決することにより、経営や業務に大きな効果が期待できる
  • DX推進方針で決めた期間や費用などの制約条件から考えて実現可能である

 今回はこの3つの条件を踏まえて解決すべき課題を決定し、それを解決するアイデアを業務部門の代表者から集める方法を中心に解説します。今回も、ITベンダーの中堅SE村山さんが担当する架空の事例、マイルス精工の「工場DXプロジェクト」を交えて学んでいきましょう。

 日経ITソリューションズの村山は、2週間後に控えた問題分析ミーティングについてアドバイスを受けるため、超上流工程のエキスパートとして社内で名の通った先輩SEの工藤を訪ねた。問題分析ミーティングは、PLと検討メンバーを一同に集め、DXで解決する業務上の課題を決定する重要な会議だ。

 村山はこれまでに、問題分析ミーティングの準備作業と、ミーティングの前半で実施する現状の問題構造を整理して解決すべき重要な問題を決めるやり方について教えを受けた。

「ありがとうございます。問題分析ミーティング前半の進め方が理解できました」

「ここでは参加者全員で議論して、現状の問題構造について認識を合わせることが重要だよ」

 工藤は、村山を見つめながら穏やかな表情で言った。

「了解しました。問題分析ミーティングの前半に続けて、後半の進め方も教えてください」

 村山はしっかりとうなずき、問いかけた。

「後半では、解決すべき課題の充足と評価をしてから、DXプロジェクトで引き続き検討する課題を決めるんだ。そして、課題を解決するためのアイデアを集める」

 村山は、工藤の説明が理解しきれず不思議そうな表情を浮かべた。

「もう少し詳しく教えてもらえますか?」

「OK。それじゃ課題を充足して評価するまでのやり方を説明しよう」

 工藤は落ち着いた表情で言った。