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DXで新たに構築するシステムの非機能要件を検討するには、8つの観点から要望を集め、評価し、達成基準を決める。今回は、代表的なデジタル技術と非機能要件の検討方法を説明する。

 DXは、設備・機器の状態や人の動作や音声などのアナログ情報をデータ化して蓄積・活用することで、業務の生産性や付加価値を高める取り組みです。DXで構築する新しいシステムでは、デジタル技術が業務を実施する上で必要な設備や装置などと情報システムをつなぐ役割を果たします。

 センサー、無線通信、AI(人工知能)などのデジタル技術は、近年、目覚ましい進化を続けています。用途が拡大する一方で、性能や信頼性、安全性などに不安が残る場合があります。

 そのため、DXで構築する新しいシステムに採用する技術や製品を選択する際には、「業務上での役割、用途を果たせるか」だけでなく、「日常的に使う設備として必要な条件を満たせるか」も考慮して慎重な判断が必要です。

 性能や信頼性、安全性など、新しく構築するシステムが設備としてクリアーすべき条件を非機能要件といいます。DXでは、従来の情報システム以上に非機能要件の検討が重要になります。今回は、DXで非機能要件を具体化する方法を中心に解説します。今回も、ITベンダーの中堅SE村山さんが担当する架空の事例、マイルス精工の「工場DXプロジェクト」を交えて学んでいきましょう。

 日経ITソリューションズの村山は、超上流工程のエキスパートである先輩SEの工藤から、デジタル化要件の検討方法について教えを受けている。

「機能要件を具体化する方法が理解できました」

 村山はうれしそうな表情で述べた。

「業務場面別に業務フローを作って、そこで必要なシステム機能を具体化することが重要だよ」

 工藤が穏やかな表情で応えた。

「はい。次は非機能要件の検討方法を教えてください」

「非機能要件はシステム基盤に関する要件だ。DXのシステム基盤で使われるデジタル技術については理解してるかな」

「一応、勉強したつもりですが…」

 村山が自信なさそうに答えた。工藤は笑顔でうなずいた。

「非機能要件を検討するにはデジタル技術を理解しておくことが重要だよ。復習も兼ねて説明しておこう」