
新型コロナ禍の収束が依然として見通せない中、デジタル化にグリーンと社会全体の変革は急速に進む。先行き不透明な時代に、国内ITサービス大手は自己の改革と事業の強化の両輪で臨む。富士通、NEC、NTTデータ、日本IBM、日立製作所の各社トップが明かす2022年の展望と成長戦略とは。
●2022年のIT業界の展望や政権への期待について、共通質問の回答をまとめた。
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コロナ禍に改革断行、さらにその先へ
新型コロナ禍の収束が依然として見通せない中、デジタル化にグリーンと社会全体の変革は急速に進む。先行き不透明な時代に、国内ITサービス大手は自己の改革と事業の強化の両輪で臨む。富士通、NEC、NTTデータ、日本IBM、日立製作所の各社トップが明かす2022年の展望と成長戦略とは。
●2022年のIT業界の展望や政権への期待について、共通質問の回答をまとめた。
時田 隆仁 氏 富士通 社長
本業の強化を掲げ、大胆な変革を矢継ぎ早に実行してきた。ただ、変革の途中で自社ツールが不正アクセスを受けて顧客情報を流出させる失態を起こした。ウィズコロナの不透明な状況が当面続くと気を引き締めつつ、2022年は巻き返しを狙う。
森田 隆之 氏 NEC 社長
2021年を経営トップとして全社の方向性を打ち出せた年と総括。2022年は5G向けの基地局技術「Open RAN」で勝負をかけると意気込む。買収したデンマーク企業のノウハウを基に、日本政府のデジタル化支援にも注力する。
本間 洋 氏 NTTデータ 社長
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)熱を追い風に、業績は好調だ。海外の構造改革も実を結び始め、中期経営計画の業績目標達成を視野に入れる。ITサービス業界でグローバルトップ5入りの目標達成に向けては、さらなる成長投資が欠かせない。
山口 明夫 氏 日本IBM 社長
運用部門の分割新会社と密に連携し、顧客の多様なIT環境を包括支援する体制を築く。受託開発が主体のSIから、顧客と共同での事業変革へと事業構造も見直す。社長直轄の部隊を新設し、日本政府のデジタル化を支援すると意気込む。
小島 啓二 氏 日立製作所 社長
デジタルとグリーンを成長の二本柱に、2022年度からの新中期経営計画に臨む。これまでの10年で構造改革の基礎工事を終え、2022年を「成長の10年」の始まりと位置付ける。ITとOT(制御技術)の二刀流を掲げ、社会課題の解決に挑む。