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 AI(人工知能)やビッグデータを活用して地域の課題を解決できる都市を実現しようとする政府の「スーパーシティ構想」。2020年12月に公募が始まり、2021年春には全国で5カ所程度が選定される見通しだ。スーパーシティやそれを支える「都市OS」は、社会のデジタル変革(DX)の起爆剤になる。

 ICTを活用した住みやすい都市、スマートシティーは世界的にも注目を浴びている。例えばスペインのバルセロナ市は2000年ごろからごみ箱にセンサーを設置して効率的にごみを回収したり、駐車場の空き状況をセンサーで検知して渋滞緩和などにつなげたりといった取り組みを進めている。

 日本でもトヨタ自動車が2021年2月に静岡県裾野市でスマートシティー「Woven City」を着工する。パナソニックは2014年4月に街びらきした神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」で、2020年3月から「データ連携基盤」を導入した。

(写真提供:Fujisawa SST協議会)
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(写真提供:アクセンチュア)
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パナソニックを中心とする企業コンソーシアムなどが街づくりを進めるFujisawaサスティナブル・スマートタウン(上)と福島県会津若松市の地域情報サイト「会津若松+(プラス)」(下)

 政府が推進するスーパーシティ構想は、こうしたスマートシティーの姿をトップダウンで一気に実現するアプローチを採る。既存のスマートシティーは、個別分野についてできるところからボトムアップ的に進めることが多かった。スーパーシティは行政手続きや移動、医療、教育など生活全般にまたがる5つ以上の分野で先端的なサービスを提供する。それらを実現するためにデータ連携基盤を通じて様々なデータを連携・共有する。同時に各サービスを提供可能にするための規制改革を一体的に推進する。

図 スーパーシティとデータ連携基盤
図 スーパーシティとデータ連携基盤
「データ連携基盤」を軸にサービスを提供(出所:内閣府の資料を基に日経コンピュータ作成)
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 2020年10月22日の国家戦略特別区域諮問会議で菅義偉首相は「大胆な規制改革は菅内閣の最重要課題の1つだ。国家戦略特区制度を活用した岩盤規制改革の一層の加速に向けて一丸となって取り組んでほしい」と述べた。「スーパーシティで突破した規制は状況を評価し、効果の高いものは全国展開を目指す」と内閣府地方創生推進事務局の井上貴至参事官補佐は話す。