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 2021年は在宅勤務をはじめとするテレワークを支援する技術「リモートワークテック」の普及がより一層進む。特にコミュニケーションを円滑にする製品やツールの活用の幅が広がる他、テレワーク環境に対応したセキュリティー対策の多様化が進む。

 在宅勤務を中心としたテレワークは2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ手段として一気に普及した。新型コロナのパンデミックが収まる気配を見せない2021年においては、今後も多くの企業が在宅勤務を続けていくことになりそうだ。

 在宅勤務が日常風景となる中で、課題も明らかになった。「同じ部署やチームの他のメンバーが今どのような仕事をしているのか分からない」「相手の状況がつかめないので、どのタイミングでWeb会議やチャットで相談すればよいのか分からない」といった社内コミュニケーションに関するものである。こうした課題を解消する手段として普及しそうなのが、2次元や3次元の仮想的なオフィスで、同じ部署やチームのメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事を進めていける「仮想オフィスサービス」だ。

仮想オフィスで臨場感を得る

 例えば仮想オフィスサービスを使うと、同じ部署やチームのメンバーがアイコンやアバターで表現され、仮想オフィスを自由に動き回れるようになる。「AさんとBさんが打ち合わせをしている」といったことが視覚的に把握できるわけだ。

 3次元の仮想オフィスサービス「RISA」を提供しているOPSIONの深野崇社長は「そこに人がいる感覚や空間を共有している感覚が高まり臨場感を得やすい。アバターを活用することで他のメンバーへ気軽に声をかけやすくなる」と説明する。

oViceの「oVice」
oViceの「oVice」
2次元のオフィスではアイコンを介して音声チャットでコミュニケーションが取れる(右)必要に応じてビデオ会議もすぐに始められる(左下)
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OPSIONの「RISA」
OPSIONの「RISA」
3次元のオフィスでアバターを介してコミュニケーションが取れる
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図 仮想オフィスサービスの画面例
社員をアイコンやアバターで表現、臨場感を高める(画像提供:oVice(oVice)、OPSION(RISA))

 米ソココが開発する仮想オフィスサービス「Sococo」を日本で販売する1社、テレワークマネジメントの田澤由利社長は「仮想オフィスサービスは日本の働き方に合っている。5年後の導入率は欧米よりも高くなる」と予測する。「席が隣同士のメンバーでこまめにコミュニケーションを取っていく」といった、従来は実際のオフィスで行っていたことを、仮想的にも手軽に実現できそうだ。

 仮想オフィスサービスは今後、オンラインとオフラインの働き方をともに支援するような機能が加わるなど、進化していきそうだ。「oVice」を提供するoViceのジョン・セーヒョン社長は「オフラインにいながらも自然にオンラインの人と話せたり、オンラインの人もオフラインで何が起きているかがシームレスに把握できたりするようになれば、ポストコロナでも使われ続けていく」とみる。

 仮想オフィスサービス以外のリモートワークテックでも動きがありそうだ。「テレワークを続ける企業はコミュニケーションやセキュリティー対策に関する製品やサービスを重点的に導入している」。東京都などが設立したテレワークの普及施設、東京テレワーク推進センターで事業責任者を務めているパソナリンクワークスタイル推進統括の湯田健一郎氏は指摘する。