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矢継ぎ早に打ち出した変革の方針を2021年に着実に実践すると宣言する。共同開発した「富岳」が世界2連覇を果たす一方、東証のシステムトラブルでつまずいた。技術をなりわいにする企業として、先端技術の開発と安定したシステムの両立を目指す。

(聞き手=森重 和春、浅川 直輝、鈴木 慶太)

時田 隆仁(ときた・たかひと)氏
時田 隆仁(ときた・たかひと)氏
1988年富士通入社。2014年6月に金融システム事業本部長。執行役員常務グローバルデリバリーグループ長などを経て、2019年6月より現職。(写真:村田 和聡)
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2020年はRidgelinezや富士通Japanの設立など、富士通自身を改革する方策を矢継ぎ早に打ち出しました。

 2020年に入ってすぐに新型コロナウイルスが広がり、緊急事態宣言が発令されるなどの影響で事業計画には遅れが生じました。ただ、当社にとって大きな変革のタイミングだったので、ある意味一度立ち止まって考えることができた。ですからプラスマイナスゼロくらいと捉えています。

東証トラブル、再発防止へ

東京証券取引所で10月に終日売買が停止したシステムトラブルでは富士通の責任が問われました。

 トラブルの件については、日本証券取引所グループ(JPX)、東証などの顧客を含めてご迷惑をお掛けしましたことを心からおわびいたします。その反省を踏まえて再発防止に努め、堅牢(けんろう)でレジリエント(柔軟)なシステムを提案し作っていきます。安定した市場をつくるために少しでもお役に立つことが当社の使命だと思っています。

2021年の経営方針は。Ridgelinezや富士通Japanをどう育てますか。

 Ridgelinezは今まで以上に人材育成に力を注ぎ、中途採用も含め組織を活性化していきます。今は200~300人体制ですが、早期に500人規模にしたい。富士通Japanは発表している通り、2021年春に自治体や医療機関、教育機関を担当する営業やエンジニアから成る富士通の事業部門を富士通Japanに移すというもう1段階の組織変革を控えています。

 2021年にやるべきなのはこうした変革への取り組みをしっかりと実行し続けること。2020年はずいぶんいろんなことを始めましたから、2021年はそれほど新しいことは考えていません。