PR

クラウド管理はKubernetesが事実上標準に

 2020年、データセンターの運用を自動化するOSS(オープンソースソフトウエア)「Kubernetes」がパブリッククラウドとオンプレミス環境との間に存在する「技術格差」を解消する。どんな企業でも米グーグル並みのクラウド管理ノウハウをオンプレミスに反映できるようになり、運用管理の手間がぐっと減る。それによりビジネスのさらなるデジタル化が進みそうだ。

 Kubernetesはグーグルが2014年に公開した。基としたのは巨大な同社のクラウド全体を管理する頭脳ともいえるソフト「Borg」である。数百~数千台の物理サーバーをクラスターとしてひとまとめにして、アプリケーションとミドルウエアなどをパッケージにした「コンテナ」をサーバーに自動的に割り当てたり、コンテナが安定稼働するように監視したりする。

 競合ソフトの中でもKubernetesはグーグルがパブリッククラウドで使っているソフトと全く同じである点が最大の特徴であり強みだ。Kubernetesを使うと、グーグルが提供するコンテナベースのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)「Google Kubernetes Engine(GKE)」と同一の環境をオンプレミスで構築できる。

 パブリッククラウドとオンプレミスの違いを意識せず併用できる環境はKubernetesが事実上の標準となった。仮想化ソフト大手の米ヴイエムウェアは2018年11月、Kubernetesの商用サポートを手掛けるスタートアップの米ヘプティオを買収すると発表。米IBMが約4兆円で買収した米レッドハットのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)構築ソフト「OpenShift」も内部にKubernetesを使う。

サーバーレス、マイクロサービスも

 グーグルはKubernetesをさらに盤石な存在に高める狙いだ。2018年7月、アプリケーション実行環境をオンデマンドで利用者に提供する仕組みである「サーバーレス」のサービスとして「GKEサーバーレスアドオン」を発表した。これと同時に、同じ仕組みをKubernetes上で実行する「Knative」をOSSとして公開したのだ。

 サーバーレスの代表格は米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「AWS Lambda」だが、現在はオンプレミスで使えない。運用コストを低減できるサーバーレスをオンプレミスで実現するにはKnativeとKubernetesの組み合わせに頼るしかないのが現状だ。

 グーグルはマイクロサービス分野でも仕掛ける。マイクロサービス同士の通信を制御する「サービスメッシュ」をKubernetes上で実現するOSS「Istio」を2018年7月に公開した。

コンテナ管理の次はマイクロサービス管理。新ソフト「Istio」を説明する米グーグルのウルス・ヘルツル上級副社長
コンテナ管理の次はマイクロサービス管理。新ソフト「Istio」を説明する米グーグルのウルス・ヘルツル上級副社長
[画像のクリックで拡大表示]

 数百のマイクロサービスが連携する分散アプリケーションで、マイクロサービス間のルーティングや負荷分散などを自動化できる。クラウドとオンプレミスの双方で利用可能だ。オンプレミスでもグーグルの存在感が高まっている。