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LPWAが全国カバー、ジビエ料理が一般的に

 2020年は野生動物の肉を使うジビエ料理が家庭で一般的になる。低速ながら消費電力が少なく低コストという特徴を持つ、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器向け通信技術「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」のおかげだ。

 埼玉県飯能市は2018年11月に鳥獣害対策の一環として「IoTわな」を導入した。山間部の農村は野生動物が畑を荒らす被害に長年悩んでいる。仕掛けたわなを見回るのも一苦労だった。

 対策の切り札がIoTわなだ。シカやイノシシがわなにかかるとセンサーがLPWA回線経由でクラウドに情報を送り、農家や駆除事業者のスマートフォンアプリに届く。わなを見回る効率が上がるとして、全国の自治体が導入し始めた。各所でわなにかかった野生動物が適切に処理されると、食材としての流通量が増える。

図 LPWAによる通信機能が付いた、鳥獣わなの監視装置の例
図 LPWAによる通信機能が付いた、鳥獣わなの監視装置の例
人里離れた山間部も通信エリアに。埼玉県飯能市が導入した通信機能付きの「くくりわな」(左)とわなの設置場所を確認する画面(写真と画像提供:京セラコミュニケーションシステム)
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 携帯電話事業者が2018年に本格提供しだした「セルラーLPWA」は全国をカバーする。免許が要らない周波数帯を使う「Sigfox」のエリアも2019年3月末には「人口カバー率が95%に達する」(京セラコミュニケーションシステムの松木憲一取締役LPWAソリューション事業部長)。

 機器に組み込むLPWA対応通信モジュールの出荷台数は2020年に2018年予測の4倍近い4億1000万台に増えると総務省は見込む。ジビエ料理の腕を今から磨いておきたい。

サイバー避難訓練が会社の年中行事に

 「営業部のサーバーがハッキングされました。社員は速やかに対応行動に移ってください」――。2020年、企業は火災の避難訓練と同様にサイバー攻撃に遭った場合を想定した「サイバー避難訓練」を年中行事にする。

企業は一斉にサイバーBCP(事業継続性)強化へ
企業は一斉にサイバーBCP(事業継続性)強化へ
2018年12月の一般企業向けサイバー演習に参加したある製造業のCSIRT(コンピューター・セキュリティー・インシデント・レスポンス・チーム)メンバー
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 セキュリティー事故に対応する組織「CSIRT」などが策定した対応ルールに沿って、経営層から現場の社員、時には取引先まで巻き込んで対処行動を取る。行動を振り返ってルールや振る舞いを改善して、サイバー被害に遭ってもいち早く業務を再開・継続させる「サイバーレジリエンス」の力を養う。

 レジリエンス強化の流れは2018年に加速した。日本を幾つもの天災が襲い、BCP(事業継続計画)を見直す機運が高まるなか、サイバー攻撃を新たな経営リスクと捉えた企業が「サイバーBCP」策定に動いた。

 政府は東京オリンピック・パラリンピックのサイバー防御力向上に向け、ガイドライン整備や体制拡充、人材育成を急ぐ。2018年12月に中国ファーウェイなどの製品を念頭に、重要インフラ14分野の企業や団体に対して、情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう要請した。

 同年末には政府が政府機関と重要インフラ事業者を集めて年次のサイバー演習を開催し、過去最多の3000人が集まった。連動した一般企業向けの演習には前回の2倍以上が参加。サイバー攻撃との闘いは続く。