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 未来予測を得意とするITベンダーの専門家は2020年を変える技術をどう読んでいるのだろうか。野村総合研究所とガートナージャパンに聞いた。

XAI by Designで説明可能なAI実装が当たり前に
野村総合研究所 上級研究員 城田真琴氏

 2020年、医療や自動運転など人間の命に関わる分野でのAI(人工知能)は「XAI by Design」、つまり設計段階から説明可能なAIの実装が当たり前になる。いわゆる「AIのブラックボックス問題」の解決を求める声は日に日に大きくなっているからだ。

図 従来のAIと説明可能AIの違い
図 従来のAIと説明可能AIの違い
AI依存社会が越えなければいけない壁がすぐそこに
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 課題解決に向け、米IBMや富士通といったITベンダーや研究機関がXAIを精力的に研究している。米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は2017年5月から約80億円を投じ、米パロアルト研究所や米カーネギーメロン大学などと複数の研究に取り組む。成果を2021年には公表する予定だ。

 欧州連合(EU)の「一般データ保護規則(GDPR)」は消費者の「説明を求める権利(right to an explanation)」を規定している。企業がアルゴリズムを使い自動的な意思決定によって与信審査などをした場合、個人はその内容について説明を求め、反対する権利を有するという内容だ。日本企業もXAI by Designへの理解と準備が必要だ。

AIプラットフォームで一般企業のAI開発が加速
ガートナージャパン アナリスト 亦賀忠明氏

 トレンドとなっているテクノロジーの期待度や普及フェーズなどを可視化する当社の「ハイプ・サイクル」で考えると、AI(人工知能)は2019年に「過度な期待」のピーク期から幻滅期へと移りそうだ。この遷移はAIが「これから本番」を迎える変化を意味している。

図 「ハイプ・サイクル」におけるAIの位置
図 「ハイプ・サイクル」におけるAIの位置
AIは幻滅期へ、これからが本番(出所:ガートナージャパン)
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 テクノロジーがあっても自社にそれを適切に扱える人がいなければ何の意味もなく、世の中には何もしなくても結果を出す「すごいAI」や「自分たちの個別の要件を満たしてくれるAI」は存在しない―。2020年にかけてこうした事実に気付く企業が増え、「AIプラットフォーム」を使ってAIを開発するケースが確実に増える。

 AIプラットフォームは機械学習や深層学習(ディープラーニング)のフレームワークを包含し、AIの開発をよりスピードアップする環境を提供するクラウドサービスだ。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフト、グーグル、IBMなど米IT大手が競って提供している。

 AI開発はアジャイル開発によるサービス提供プロセスに組み込まれ、ユーザー企業に「AIの内製と継続的な強化」の流れをもたらす。