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4車線化が遅れる日本の高速道路において、暫定2車線区間の安全対策は重要だ。ところが、近年開通した暫定2車線区間でも、トンネルや長大橋での対策は進んでいない。対策推進を阻むこれらの区間にも適用できそうな技術を試行する動きが出てきた。

 鳥取県を東西に横断する高速道路の鳥取西道路で事故が続いている。2019年5月に全線が開通した鳥取西道路は山陰道の一部で、国土交通省が整備した(写真1)。将来は4車線で運用する予定であるものの、現時点では全区間を暫定2車線で使っている。山を切り開いた海沿いのルートは19.3kmに及ぶ。9つのトンネルと22の橋が連なり、延長の約4割をトンネルと橋が占める(図1)。

写真1■ 国道9号の渋滞緩和や災害時の代替路線として開通した鳥取西道路。海沿いを東西に走り、トンネルや橋梁の多いルートだ(写真:国土交通省鳥取河川国道事務所)
写真1■ 国道9号の渋滞緩和や災害時の代替路線として開通した鳥取西道路。海沿いを東西に走り、トンネルや橋梁の多いルートだ(写真:国土交通省鳥取河川国道事務所)
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図1■ トンネルと橋が約4割に
図1■ トンネルと橋が約4割に
鳥取西道路は全長19.3kmのうち約4割がトンネルや橋梁だ。一番長いトンネルの延長は2132mに達する。長大橋も多い。国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成
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 19年1月から21年3月末までの事故件数は200件を超える。毎月10件前後の事故が起きており、21年5月7日には死亡事故が生じた。死亡事故は見通しが悪くない平たんな土工部で昼に発生。80代の男性が運転する軽乗用車が反対車線に飛び出し、大型トラックと正面衝突した。センターポールやワイヤロープ式防護柵などの未設置箇所だった。

 高速道路は中央分離帯で上下線が区切られ、片側2車線以上となるのが一般的だ。ところが、交通量が少なく整備途中であるといった理由から、暫定的に片側1車線ずつの2車線で使われている区間は珍しくない。山陰道は西への延伸を優先。鳥取西道路も当面は暫定2車線のままで運用する。