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人と機械の協調によって安全性を向上させる「協調安全」。その普及を図るセーフティグローバル推進機構は「Safety2.0」の適合第1号として、建機の緊急自動停止システムを登録した。

 ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)を活用し、人と機械、周辺環境が協調することで、生産性を落とすことなく安全性を向上させる──。この「協調安全」に基づく安全思想が、日経BP社とセーフティグローバル推進機構(IGSAP(イグサップ))が普及を図る「Safety2.0」だ。建設現場に関しては、国土交通省が推し進めるi-Constructionと相互補完し、生産性向上と安全性確保の両立を目指している(図1)。

図1 ■ i-ConstructionとSafety2.0の相互補完
図1 ■ i-ConstructionとSafety2.0の相互補完
(資料:IGSAP)
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2種類の建機自動停止システム

 IGSAPは2018年2月、「Safety2.0適合審査登録制度」の運用を開始。要求事項を満たす技術に適合マークの表示許可を与える。第1号として、NIPPOが開発した2種類の緊急自動停止装置「WSシステム(Walker Safety System)」が登録された(写真1)。

写真1■ IGSAPの向殿政男会長(右)が、NIPPOの荒井明夫総合技術部長(左)にSafety2.0適合証明書を手渡した(写真:三上 美絵)
写真1■ IGSAPの向殿政男会長(右)が、NIPPOの荒井明夫総合技術部長(左)にSafety2.0適合証明書を手渡した(写真:三上 美絵)
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 1つはRFID(ICタグによる近距離無線通信)を用いた装置で、既にタイヤローラーに採用されている(図2)。舗装工事では、タイヤローラーなどの建設機械が前後に動き回るなかで、作業員はアスファルトの温度測定や敷きならし端部の整形を行う。建機の死角に人が立ち入れば重大事故につながる恐れがあることから、開発に踏み切った。

図2 ■ タイヤローラー制御システム
(資料:NIPPO)
(資料:NIPPO)
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タイヤローラーは、バック時の事故が8割といわれ、巻き込まれてしまうことが非常に多い。そこで、2カ所から磁界を発生させることで、バック動線だけ磁界が発生して、危険なエリアにICタグを持った人がいると止まるようにした(写真:NIPPO)
タイヤローラーは、バック時の事故が8割といわれ、巻き込まれてしまうことが非常に多い。そこで、2カ所から磁界を発生させることで、バック動線だけ磁界が発生して、危険なエリアにICタグを持った人がいると止まるようにした(写真:NIPPO)
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 作業者はヘルメットやポケットにICタグを装着。ローラーが後退時にその電波を受信すると、エンジンのスターターキーをオフに回転させる装置が働き、建機を強制的に停止させる仕組みだ。建機の側面で作業する人間を検知しないよう、磁界発生装置をローラー後部の左右両端に取り付け、2つの磁界の交わったエリアのみを検知するように工夫した。

 もう1つは、ステレオカメラを用いた自動停止装置(図3)。建機後部に設置したステレオカメラには、人や障害物を識別するソフトウエアを搭載。建機の後退時に人や物などを検知すると、運転席のモニター画面と警報音でオペレーターに知らせると同時に、電動シリンダーとチェーンで結ばれたブレーキペダルが床面に引っ張られ、ブレーキがかかる。

図3 ■ ホイールローダー制御システム
(資料:NIPPO)
(資料:NIPPO)
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ICタグで人物を検知するRFID方式は、鉄の影響を受けやすい特性もあり、ホイールローダーではステレオカメラ式のセンサーによる障害物検知を採用した。人あるいは障害物を検知して、障害物で警報、人で停止、あるいはどちらでも停止という方式とした(写真:NIPPO)
ICタグで人物を検知するRFID方式は、鉄の影響を受けやすい特性もあり、ホイールローダーではステレオカメラ式のセンサーによる障害物検知を採用した。人あるいは障害物を検知して、障害物で警報、人で停止、あるいはどちらでも停止という方式とした(写真:NIPPO)
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 この装置は、アスファルトの合材工場で稼働するホイールローダーに使用されている。ホイールローダーは骨材など重量のあるものを抱えているので、できるだけ衝撃を抑えて緊急停止する仕組みを採用した。ICタグを装着していない部外者や車両なども検知できる点が特徴だ。