NEWS 時事・プロジェクト
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新幹線の札幌延伸で費用が効果を上回る
2030年度の開業を目指す北海道新幹線の札幌延伸で、事業費の大幅な増加に伴い、費用便益比(B/C)が1を下回ったことが分かった。国土交通省は、事業には金額で表せない効果があるとして建設を継続する。同省が23年3月31日に発表した。
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領海の喪失防止へ国境離島をモニタリング
内閣府は、領海や排他的経済水域(EEZ)を決定する基線となる「国境離島」の消失を防ぐため、継続的なモニタリングに着手する。2023年度は、重点的に状況を把握する対象を決める。今後のモニタリング結果を見て、対策工事の必要性を判断する。
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技能実習を廃止へ、新制度は転籍制限緩和
技能実習制度などの見直しを検討している出入国在留管理庁の有識者会議は2023年4月19日に開いた会合で、同制度廃止と新制度発足の提案を含む中間報告書案を公表した。「奴隷制」などと批判を受ける要因となっていた外国人労働者の転籍制限について、新制度で緩和する方針を打ち出した。
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建設コンサルでオフィス出社への回帰
新型コロナウイルス禍でテレワークが広まった建設コンサルタント会社で、オフィス出社への回帰の動きが強まっている。日経クロステックの調査によると、全社員に対する出社した社員の割合「出社率」が8割以上だった建設コンサルタント会社は、2023年1月時点で76%に上る。東京などに2回目の緊急事態宣言が出てい…
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設計変更指示書の偽造で市職員が懲戒免職
静岡市は2023年3月29日、道路工事の設計変更指示書を偽造したなどとして、市道路部清水道路整備課の主任技師(30歳)を懲戒免職にした。この職員は21年8月にも、カーブミラーの設置について住民に虚偽の説明をしたうえ、住民への謝罪を代行業者に依頼したなどとして3カ月の減給処分を受けていた。
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パスコが売り上げを不正に繰り越し
測量大手のパスコが複数年にわたり、売り上げの一部を次の決算期へ不正に繰り越す会計処理をしていたことが明らかになった。次の期に高い利益目標を設定されるのを恐れた幹部社員が当該決算期の利益を少なく計上した。
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廃止したガス管230kmを許可なく残置
静岡ガスが、静岡市道に埋設されたガス管の更新工事の際、廃止した古い管を市の許可を得ず地中に残置していたことが分かった。これまで不適切に残置した管の総延長は約230kmに上る。廃止管は原則撤去するよう市から通知を受けていたにもかかわらず、当時の静岡支社長らの勝手な判断で残していた。同社が2023年3…
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横浜市で事実と異なる工事成績評定が多発
横浜市が発注した工事で、事実に基づかない成績評定が多発していることが、市の2022年度監査で判明した。工事が完成しているのに「事業者の責で打ち切り」と指摘したり、災害が発生しなかった工事で「災害防止への取り組みが不適切」と評したりしていた。
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週休2日を達成した現場は3割にとどまる
国土交通省の調査で、東京都を除く46道府県が発注した2021年度の工事のうち、週休2日を達成した現場の割合が30.7%にとどまることが分かった。都道府県が週休2日の対象として公告した工事は平均で8割を超えており、達成率との間に大きな差が生じている。
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水セメント比不正で水路などが強度不足か
京都府福知山市のコンクリートメーカーが、水セメント比を偽って製品を出荷していたことが分かった。このコンクリートを使用した堤防の水路などに、強度不足の恐れが生じている。所管する国土交通省福知山河川国道事務所が2023年3月8日に発表した。強度や安全性に問題がないか、調査を進めている。
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リニアの大深度シールド機が3台稼働
リニア中央新幹線の大深度地下トンネル工事で2023年3月下旬、3台のシールド機が相次いで稼働を始めた。東京都内の北品川工区では、本掘進に入る前に地上への影響や工程を検証する「調査掘進」の再開に向けた試掘を、神奈川県内の梶ケ谷工区と東百合丘工区では調査掘進を開始した。
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予定価格を間違えIHI子会社との契約解除
山形県は、橋梁上部工事の入札で予定価格を誤って高く設定していたとして、落札したIHIインフラシステム・瀧上工業JVとの契約を解除した。予定価格を正しく設定していれば、他の参加者が落札するはずだった。県が2023年3月9日に発表した。
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設計ミスの修正怠り水門が耐力不足に
復建技術コンサルタント(仙台市)が設計した漁港の水門で構造計算などにミスがあり、一部で耐力が不足していることが分かった。納品前の社内チェックで設計ミスを見つけながら修正を怠っていた。発注者の岩手県は同社に対し、2022年12月28日から5カ月の指名停止措置を講じている。
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JR九州で東レの防護壁が剥落、1871枚交換
鹿児島県内を走るJR指宿枕崎線の高架橋で東レの樹脂製防護壁の表面が剥落したのは、防護壁の製造過程に問題があったことが原因と判明した。JR九州は2022年12月から、剥落箇所周辺で不具合の恐れがある防護壁1871枚の交換を進めている。
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青木あすなろに営業停止処分、工費水増し
青木あすなろ建設が送水路工事の契約変更で、実施した工事量を偽って工費を水増ししたことを受け、国土交通省関東地方整備局は同社に2023年4月1日から15日間、東北地方での営業停止を命じた。この工事では複数の施工不良と、それを隠蔽するための書類の改ざんも判明。さらに同社は、施工不良発覚後の試掘調査でも…
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八千代エンジの設計ミスで排水門強度不足
八千代エンジニヤリングが手掛けた排水門の詳細設計で、本体の鉄筋量や管理橋の支承の強度など複数の設計ミスがあったことが判明した。設計を委託した国土交通省関東地方整備局は、業務が粗雑だったとして同社を2023年1月23日から1カ月の指名停止とした。
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静岡県境に向けリニアの先進ボーリング
JR東海が山梨県内で進めているリニア中央新幹線の山岳トンネル工事で、2023年2月21日に静岡県境へ向けた先進ボーリングが始まった。静岡工区の着工時期が見通せない中、同社は工事の不確実な要素を減らすために県境まで可能な限り先進坑の掘削を進める。静岡県が地下水の県外流出に反発している点を踏まえ、湧水…
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ガソリンが水道管浸透、発がん性物質検出
北海道室蘭市内の給油所から漏れ出したガソリンが水道水に混入した事故を受け、市は浸透に弱いポリエチレン(PE)製の水道管をダクタイル鋳鉄管に取り換える。2023年2月9日に開いた有識者による検討委員会で対策を明らかにした。
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「瑕疵ない」河川工事でも被災住民に補償
改修工事中の河川が想定外の豪雨で氾濫した場合、河川管理者は工事に瑕疵(かし)がなくても被災住民に補償すべきか──。2022年6月に北海道旭川市で発生したペーパン川の氾濫は、河川管理者の責任について難題を投げかけた。準拠した設計要領が国の基準と異なっていた点も、問題をより難しくしている。
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公共工事の労務単価を5.2%引き上げ
国土交通省は公共工事の入札で予定価格の算出などに使う労務単価を2023年3月1日から引き上げた。これまでと比べて全国・全職種の単純平均で5.2%上昇した。11年連続の上昇で、伸び率が5%を超えたのは9年ぶり。