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独特な主塔形状を採用

 形式選定に当たって問題になったのが、主塔の剛性だ。一体化した桁が2km以上にわたって続くので、自動車の荷重が端部付近など一部に偏ると、橋全体が橋軸方向に引っ張られて変形する恐れがある。

 そこで委員会では、主塔の形状を側面から見てA形にして、橋軸方向の剛性を高めるようにした。車の進行方向から見るとI形となる。主塔の両脇に沿って箱桁をそれぞれ架ける。

 ポートアイランドと対岸の和田岬付近との間に架ける海上橋の形式については、全長1180m、最大支間長480mの1主塔斜張橋に決めた。主塔は約230mの高さとする。

 一方、今後の課題も明らかになった。大阪湾内を南北に伸びる大阪湾断層帯の存在だ。その北端に位置する摩耶断層は、幅1.4kmにわたって六甲アイランド─ポートアイランド間の計画ルートと交差する。

 17年に改定された道路橋示方書では、断層を避けて橋台や橋脚を設けるよう求めている。しかし、摩耶断層が将来もたらす変位は小さいとみられることや、断層を避けて主塔を建てると支間長が長くなりすぎることから、委員会は主塔を断層上に配置。詳細設計で対策を考えるよう国交省などに指示した。

 ポートアイランド─和田岬間のルート上でも大阪湾断層帯の和田岬断層が交差するが、主塔の配置を工夫すれば影響を抑えられると確認できた。

 今後、断層や風の影響を検討しながら詳細設計を進める。阪神高速と鹿島が共同開発した軽くて高強度の「超高強度繊維補強コンクリート(UFC)道路橋床版」などの新技術を導入できるかどうかも調査する。

 大阪湾岸道路西伸部は、神戸市の六甲アイランド北インターチェンジ(IC)からポートアイランドを通って同市長田区の阪神高速神戸山手線までを東西に結ぶ延長14.5kmの自動車専用道路だ。事業費は総額5000億円を見込み、国交省と阪神高速が半額ずつ負担する。28年ごろの全線開通を目指し、既にトンネル工事などに着手している。