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 国土交通省は、2019年10月の台風19号による河川氾濫で流域に甚大な被害が出たことを受け、浸水の危険性が高い地域の新規開発を抑制するなど、河川周辺の土地利用規制の検討を始めた(写真1)。

写真1■ 台風19号で長野市内の千曲川が氾濫し、流域で甚大な被害が生じた(写真:大村 拓也)
写真1■ 台風19号で長野市内の千曲川が氾濫し、流域で甚大な被害が生じた(写真:大村 拓也)
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 社会資本整備審議会河川分科会に、「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」(委員長:小池俊雄・土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)を設置。11月22日に初会合を開いて、検討課題を明らかにした。

 洪水や内水氾濫の被害を減らすため、土地利用の規制や誘導を提案。水防法に基づいて設定された浸水想定区域をはじめ、浸水の危険性が高い地域の新規開発の規制を検討する。その他、河川沿いの小規模集落に対する集団移転の促進も検討する。

 自治体の中には、新たな対策を先取りしている例もある。

 例えば滋賀県は、流域治水の推進に関する条例で、浸水の危険性が高い地域での建築行為を許可制としている。また、適切な土地利用や避難行動を促すため、主要な河川や水路などの氾濫を想定した水害リスク情報を「地先の安全度マップ」として公表している。

 兵庫県は総合治水条例で、1ha以上の大規模開発を行う事業者に対し、「重要調整池」の設置を義務化。併せて、市町が土地利用計画を作成する際には、河川整備の状況や災害発生リスクを考慮するよう求めている。

 さらに、岩手県花巻市は、都市再生特別措置法の立地適正化計画に基づく居住誘導区域の対象から、原則として浸水想定区域を外している。例外は駅前市街地だ。一部で浸水の可能性があるものの、付近に避難施設などを整備しているため、速やかな避難が可能だと判断し、居住誘導区域に含めている。

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