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 2023年度に予定していた新東名高速道路の全線開通が再度延期される見通しとなった。未開通区間のうち、新秦野インターチェンジ(IC)─新御殿場IC間(延長25km)の工程がトンネル工事の難航で遅れている(図1)。残りの未開通区間の伊勢原大山IC─新秦野IC間(延長13km)は、これまでの予定通り22年3月までに開通する見込みだ。中日本高速道路会社が21年12月16日に明らかにした。

図1■ 未開通区間で工事の遅れ
図1■ 未開通区間で工事の遅れ
中日本高速道路会社の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 新東名高速道路は、神奈川県海老名市の海老名南ジャンクション(JCT)から愛知県豊田市の豊田東JCTまでを結ぶ延長約250kmの高速自動車国道だ。現在の未開通区間は当初、20年度の開通を予定していた。しかし19年8月、断層破砕帯の判明に伴う橋梁の構造変更などを理由に開通を延期していた。

 難航しているのが、新秦野ICから西に2.5kmほどの位置にある全長約2.9kmの高松トンネルだ。内空断面は幅約11m、高さ約8m。新秦野IC側からNATM工法で掘削している。上り線トンネルは20年1月、下り線トンネルは同年9月に掘削を開始。21年12月2日時点で上り線は約920m、下り線は約780mの掘削が完了している。施工者は上下線とも清水建設・ピーエス三菱・岩田地崎建設JVだ。