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 三重県四日市市の新名神高速道路下り線で2019年9月に起こった法面崩壊について、中日本高速道路会社が滑り面となったシルト層の存在を事前に把握しながら、対策を講じていなかったことが分かった。

 崩壊したのは、新名神高速道路の四日市ジャンクション(JCT)─新四日市JCT間の法面だ。2段の切り土法面が幅50m、高さ14mにわたって崩れた(写真1)。この区間は、16年8月に供用を開始した。

写真1■ 崩壊した法面。上部から大きく崩れている(写真:中日本高速道路会社)
写真1■ 崩壊した法面。上部から大きく崩れている(写真:中日本高速道路会社)
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 崩壊のあった付近では、9月4日午後8時から5日午前4時までに約400mmのまとまった雨が降っていた。その際、法面の表面が崩れたので、土のうを法尻に並べるなどして対応した。その後、まとまった雨はなかったものの、1週間以上たった13日に大規模な崩壊が発生した。