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 大規模な断水騒動に発展した和歌山市の水道管漏水問題は、道路の振動などで2本の水道管が接触して起こったことが分かった。2020年1月9日に発生した横浜市の水道管の漏水も管路同士の接触が原因だった。

 和歌山市の漏水は20年1月8日に発覚した。市は当初、国道24号の花山交差点内に埋設された口径80cmの基幹管路からの漏水と判断。1月19日夜から22日夜までの3日間、市内の5分の1に当たる約3万5000世帯を対象に断水を計画した。

 しかし、市が19日夜に修繕工事に着手したところ、漏水していたのは基幹管路ではなく、そこから分岐した口径15cmの細い配水管と判明。工事中の出水量も少なかったため、断水を実施せずに20日未明に修繕を終えた(写真1)。その後20日夜に、細い配水管の下を通る口径150cmの太い送水管でも漏水を発見。22日早朝にその修繕を完了させた。

写真1■ 和歌山市で水道管の漏水が発覚し、大規模な断水騒動に発展した。写真は、漏水した水道管の修繕工事の様子(写真:和歌山市)
写真1■ 和歌山市で水道管の漏水が発覚し、大規模な断水騒動に発展した。写真は、漏水した水道管の修繕工事の様子(写真:和歌山市)
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 和歌山市の調査によると、鋳鉄製の細い配水管が道路の振動などによって沈み込み、その下方にあった鋼鉄製の太い送水管に接触。「異種金属接触腐食」で太い送水管に直径7cmほどの穴が開き、そこから水が噴き出した。その水圧で、上方にある細い配水管の途中の継ぎ手が外れ、漏水が起こったとみられる。

 基幹管路が通っているのは、交差点の地表面から土かぶり約2mの地点。太い送水管は同様に地下約3mに埋設されている。基幹管路から分岐した細い配水管の正確な位置は不明だが、下方の太い送水管とはもともと30cm以上離れていた。

 基幹管路と配水管が現場に設置されたのは、60年近く前の1962年。送水管はその11年後の73年に敷設された。いずれも水道管の耐用年数40年を大きく上回っている。加えて、交通量の多い交差点で自動車の荷重を長年受け続けたため、配水管が下方に沈み、送水管と接触したようだ。

横浜市でも想定外の漏水事故

 同様の水道管の漏水は、横浜市でも起こっている。和歌山市の断水騒動の10日ほど前に、横浜市磯子区の市道上に水が噴き出し、周辺の住宅3戸が浸水。市内の約3万戸に断水や濁り水の影響が出た。

 横浜市では、73年に敷設した鋳鉄製の水道管2本が接触。そこに荷重がかかり、一方の水道管に長さ約40cm、幅約10cmの穴が開いた。自動車の通行で、上方の水道管が押し下げられたことが原因とみられる。

 横浜市も当初、口径60cmの太い水道管からの漏水と考えていた。路面に噴き出すほど、水の勢いが激しかったからだ。しかし、修繕工事のために道路を掘削して調べたところ、そこから分岐した口径30cmの細い水道管からの漏水だと判明した。市では、別の水道管との接触によって、これほど大きな穴が開くとは予想できなかったという。