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 国土交通省などが2020年度の開通を目指していた首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の神奈川県内2路線のうち、横浜湘南道路が24年度に、横浜環状南線が25年度に開通する見通しとなった(図1)。

図1■ 2020年度の開通予定から大幅延期
図1■ 2020年度の開通予定から大幅延期
横浜湘南道路と横浜環状南線の位置図(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
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 安全対策や周辺環境への配慮のため、トンネル区間で工法などを見直した。事業費は両路線を合わせて7320億円から1兆420億円に増える見込みだ。20年1月16日に開いた神奈川県圏央道連絡調整会議で、国交省などが明らかにした。

 横浜湘南道路は新湘南バイパスの藤沢インターチェンジ(IC)と栄ジャンクション(JCT)を結ぶ延長7.5kmの路線だ。5.4kmを占めるシールドトンネル区間は、西松建設・戸田建設・奥村組JVが施工する。

 トンネル区間では2台のシールド機を使う。1号機は、中間地点の本線脇に設けた発進たて坑から西の藤沢IC側に向かって上り線を掘進し、回転たて坑で方向を変えて栄JCT側の坑口まで下り線を掘る。2号機は、栄JCT側の坑口から上り線を1号機の発進たて坑付近まで2.7km掘進。1号機で構築したトンネルのセグメントを切削して地中接合する。

 接合地点の周辺では、地質調査で可燃性のメタンガスが地中に高濃度で含まれていると判明した。接合時にメタンガスを含む地下水がトンネル内に流入しないよう、周辺の地山に薬液注入して止水する。

 また、12年に岡山県内で起こった海底シールドトンネル事故を受けた設計基準の見直しで、セグメントの厚さが増大。上下線のトンネル同士の離隔が最小で約40cmと狭くなった。そこで、近接して掘削するトンネルの影響で変形しないよう、先に掘る上り線トンネルに対策を施す。セグメントを鉄筋コンクリート(RC)セグメントから強度の高い合成セグメントに変更。内部に移動式の支保工を置いて支える。

住宅地では非開削工法で施工

 横浜環状南線は、横浜市戸塚区の戸塚ICから金沢区の釜利谷JCTまでを結ぶ延長8.9kmの路線だ。栄区庄戸地区の庄戸トンネルは住宅街に近いので、騒音や振動を抑えるため、開削工法から非開削工法に変えた。

 同トンネルでは、地表面までの距離が3~4mとなる低土かぶり区間がある。非開削工法の検討を始めた当初は、先進導坑を馬てい形のNATMで掘削する計画だった。低土かぶり区間では地山の変位を防ぐため、頂部の導坑を円形に変えて土圧のバランスを向上させる。

 近接する釜利谷西トンネルとの接続部付近ではランプトンネルと分岐・合流するため、施工に高い技術力を要する。庄戸と釜利谷西の両トンネルを合わせた約1kmの区間で、設計に施工者のノウハウを反映するECI方式を採用。東日本高速道路会社が19年5月に鹿島・前田建設工業・佐藤工業JVと技術協力業務の契約を結んだ。