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 JR松山駅付近の鉄道の連続立体交差(高架化)事業を巡り、2つの架道橋で橋脚の位置や橋桁の寸法などに誤りがあったことが分かった。2024年3月末に終わる予定だった高架化が、半年ほど遅れる見通しだ。JR四国が23年1月19日に発表した。

 JR四国は、松山駅を含む約2.4kmの区間で高架化を進めている。設計ミスがあったのは、同駅の南側にある三番町架道橋と千舟町架道橋だ。前者はJR四国子会社の四国開発建設(高松市)、後者はパシフィックコンサルタンツが設計を担当した。

 三番町架道橋では基礎杭の座標を誤り、橋脚2基が誤った位置に建設された(資料1)。P14橋脚が西に50cm、P15橋脚が東に80cmずれていた。四国開発建設が用地境界との距離を確保するため橋脚の位置を調整した際、杭の座標の修正を忘れた。

資料1■ 設計ミスがあった三番町架道橋の工事現場(写真:JR四国)
資料1■ 設計ミスがあった三番町架道橋の工事現場(写真:JR四国)
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 施工者は図面の間違いに気付かないまま工事を実施。橋脚の建設を終えた後、他の架道橋との位置関係を22年8月に確認した際、橋脚の位置の誤りを見つけた。

 柱とフーチング、杭を動かさず、一部の桁受け梁を撤去して造り直す。柱などを補強しなくても構造上の問題はないという。改修工事は約8カ月かかり、23年4月に完了する見通しだ。