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 前田建設工業などを傘下に持つインフロニア・ホールディングス(以下、インフロニアHD)は2022年3月22日、東洋建設に対して完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した(資料1)。TOBの成立後、東洋建設の上場は廃止される予定だ。官民連携やグループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)などでシナジーを見込む。

資料1■ TOBで東洋建設を完全子会社化
資料1■ TOBで東洋建設を完全子会社化
株式公開買い付け後の新体制のイメージ(資料:インフロニア・ホールディングス)
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 インフロニアHDは、前田建設工業と前田道路、前田製作所の3社が経営統合し、21年10月1日に発足した共同持ち株会社だ。前田建設工業は02年7月、東洋建設と業務提携を締結。03年10月に東洋建設を持ち分法適用会社とした。前田建設工業は東洋建設の株式の20.19%を所有する筆頭株主だ。

 インフロニアHDは東洋建設の株式を1株770円で買い付ける。46.47%に当たる約4383万株を買い付け予定数の下限に設定。TOBへの応募総数が下限以上の場合、全ての株式を買い取る予定で、取得額は579億円に達する。下限に満たず、TOBが不成立だった場合は買い付けを実施しない。

 買い付けの期日は22年5月9日まで。東洋建設はTOBに賛同し、同社の株主に応募を推奨している。