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 宮城県の水管橋に設置した落橋防止装置の耐震性不足が、設計者の自己申告で工事完了の約3年後に判明した。発注者の県は、設計者の中央コンサルタンツ(名古屋市)を、2021年5月14日から4カ月の指名停止とした。

 問題が判明したのは、宮城県加美町内の鳴瀬川に架かる橋長204mの掃出水管橋だ。ブラケット8基とケーブル4本から成る落橋防止装置の耐震性が不足していた(写真12)。中央コンサルタンツは17年2月に設計の成果物を納品。県によると、同社は設計の前提となる水平力を、橋軸方向に351.9kN、橋軸直角方向に310.6kNと算出していた。県はこの設計に基づく設置工事を18年3月に完成させた。

写真1■ 設計ミスが判明した掃出水管橋の落橋防止装置。写真はブラケット部分(写真:宮城県)
写真1■ 設計ミスが判明した掃出水管橋の落橋防止装置。写真はブラケット部分(写真:宮城県)
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写真2■ 鳴瀬川に架かる掃出水管橋(写真:宮城県)
写真2■ 鳴瀬川に架かる掃出水管橋(写真:宮城県)
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 同社は20年12月、設計に誤りがあったと自ら県に申告した。正しい水平力は、橋軸方向に568.5kN、橋軸直角方向に691.4kNと、設計時の1.6~2.2倍の値だった。「固有周期の取り違い」(県水道経営課施設管理班)があったという。

 宮城県の指名停止要領によると、過失による粗雑な工事や業務で、修補で対応できる程度の不具合を生じさせた受注者に対する指名停止期間は、2カ月以上6カ月以内。中央コンサルタンツに対する指名停止期間は、その真ん中の4カ月だ。

設計委託時の照査では「問題なし」

 県は設計業務の成果品受領時にこの誤りを見つけられなかった。その点について、「耐震設計の特に高度な専門的なプロセスの中でのミスであり、委託時の照査でも問題なしと報告されていたことから、発見には至らなかった」(施設管理班)と釈明している。

 掃出水管橋と併せて中央コンサルタンツに発注した宮床川水管橋と竹林川水管橋では、落橋防止装置の設計に問題はないという。

 中央コンサルタンツ仙台支店は日経コンストラクションの取材に対し、どのような経緯で設計ミスが判明したのかは明らかにしていない。

 県の指示で、同社は掃出水管橋に設置する落橋防止装置の補修設計を既に終えている。県は補修工事を21年度末に完了させる予定だ。概算で3000万円と見込む工事費は、完了後に同社に請求する。