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 エイト日本技術開発(岡山市)が、国土交通省中部地方整備局から受注した用地調査業務を期限までに完了できなかったことが分かった。完了検査当日に業務が終わっていないと申告した。中部地整はこれが「不誠実な行為」に当たるとして、同社を2021年6月17日から4カ月の指名停止とした(図1)。

図1■ 業務未了は「不誠実な行為」
図1■ 業務未了は「不誠実な行為」
中部地方整備局はエイト日本技術開発を4カ月の指名停止とした(資料:国土交通省中部地方整備局)
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 中部地整総務部契約課の田川慎二建設専門官は、「検査当日に『実は出来ていませんでした』と言われることはまれだ」と驚く。田川建設専門官によると、業務を統括するエイト日技の主任担当者と社内関係部門との連携がうまくいっていなかったという。コロナ禍の影響や再委託先の確保の問題などの有無は不明だ。

検査10日前に変更契約したばかり

 業務が終わらなかったのは、中部地整天竜川上流河川事務所が発注した「令和2年度天竜川水系下伊那地区用地調査業務」。天竜川中流地区の地滑り対策のため、取得が必要な土地の測量などを実施する。業務の履行期間は20年10月29日から21年3月22日までで、当初の契約金額は2671万9000円(税込み)だった。

 中部地整によると、天竜川上流河川事務所は21年3月上旬にエイト日技の主任担当者と実際に測量できる面積などを確認し、最終的な業務量を決定。委託金額を2413万4000円(税込み)として、3月12日に変更契約を結んだ。

 しかし、3月22日の完了検査当日、エイト日技が終えていたのは変更契約した面積の9割ほどだった。天竜川上流河川事務所は同業務の契約を解除し、完了した分の業務費を支払った。支払金額は公表の対象でないとの理由で、中部地整は明らかにしていない。

 指名停止は他社とのJVにも及ぶ。エイト日技は、リニア中央新幹線開業に向けて駅利用者の移動支援などを検討する業務を、NTTデータ東海とJVを組んで20年度に受注している。21年度に継続業務として入札予定があるため、中部地整は同JVも4カ月の指名停止とした。

 エイト日技は日経クロステックの取材に対し、「個別の質問には答えられない」と回答。親会社のE・Jホールディングスは6月18日、ウェブサイトで指名停止措置が連結業績に与える影響は「極めて限定的」と発表している。