相模原市の土地区画整理事業の対象地から大量の産業廃棄物が見つかり、事業が一時中断している。地中の産廃はアスファルト舗装やコンクリートなどの建設廃材が多く、市の推計では約26万m3に達するとみられる(写真1)。市は2019年7月1日付で都市建設局都市建設総務室に6人の検証班を設置。対応に当たっている。
本村賢太郎市長は19年6月5日、南区で進めている「麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業」について、「一度立ち止まって検証を行う」と表明した。産業廃棄物が埋まった状態では土が十分に締め固められないため、造成地に建築物を建てると沈下する恐れがある。市の試算では産廃の処理に60億~100億円かかる。
市の検証班に所属する都市建設局の川村彰参事は、「地中障害物が投棄された経緯を調べて処理方法などを検討する」と話す。市は同整備事業の対象地で産廃が見つかった場合、土地所有者が処理費を負担すると条例で定めている。しかし、膨大な費用になると予想されるので、「所有者が負担しきれない費用をどうするかの検討も必要だ」(川村参事)。
現在、工事を進めている第一整備地区の面積は38.1ha(写真2、3)。14~24年度に商業施設や住宅向け区画、産業向け区画などを整備する。同地区は圏央道(首都圏中央連絡自動車道)相模原愛川インターチェンジ(IC)から約3kmの立地だ。
産業向け区画にある「43街区」では複合型物流センターの進出が決まっていたが、造成地の一部に掘り出した産廃を置いているため、19年度後半に予定していた引き渡しができない状態だ。