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 台風15号の強風で貨物船が衝突した南本牧はま道路の海上部について、復旧方針の大枠が決まった。桁が脱落するなど大きく損傷したプレストレスト・コンクリート(PC)桟橋部は、迅速に復旧させるため、半数以上の桁を取り換える見込みだ。国土交通省が2019年10月17日に開いた復旧工法技術検討委員会(委員長:清宮理・早稲田大学名誉教授)で明らかにした。

 南本牧はま道路は、横浜港の本牧ふ頭と南本牧ふ頭を結ぶ延長約2.5kmの一般道路だ。17年3月に開通した。海上部は、7径間連続PC桟橋(約109m)と3径間連続鋼床版箱桁橋(約500m)で構成する(図1)。

図1■ PC桟橋と箱桁橋の接続部を中心に損傷
図1■ PC桟橋と箱桁橋の接続部を中心に損傷
国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 19年9月9日の貨物船衝突で大きく損傷し、現在、全面通行止めが続いている。横浜市が管理しているが、復旧工事は同道路を整備した国交省が担当する予定だ。

 最も損傷が大きかったのはPC桟橋の上部工だ(写真1)。19本の桁を並べて橋軸直角方向から全体をPC鋼線で締め、床版の役割を持たせている。両端のPC鋼線の定着部は壁高欄で保護している。7径間のうち鋼橋側2径間で複数の桁が脱落し、他径間でも壁高欄が大きく損傷した。

写真1■ 損傷したPC桟橋。貨物船の衝突で桁が脱落した(写真:国土交通省)
写真1■ 損傷したPC桟橋。貨物船の衝突で桁が脱落した(写真:国土交通省)
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無傷の桁も含めて全て取り換え

 桁が脱落していない径間を含めて、定着部に損傷が確認された4径間はPC桁を全て取り換える。損傷していない桁を再利用する案もあったが、そのためには丁寧に桁を撤去し、工場で健全性を確認しなくてはならない。コストが大きく変わらないので、確実に性能を確保できて工期も短い全数取り換えを選んだ。

 残り3径間は、一部の壁高欄が破壊されたものの、PC桁に損傷は見られない。壁高欄で隠れた定着部に損傷が見つかった場合は、桁を全て取り換えるという。

 鋼床版箱桁橋の上部工では、箱桁本体は無事だったが、箱桁から張り出した側床版が大きく反り上がったため、側床版だけを取り換える。

 一方で、下部工はPC桟橋、鋼橋ともに健全な状態だった。変形した伸縮装置や残留変形が見られる支承部などは、必要に応じて交換する。

 「とにかく一刻も早い復旧を目指す」と国交省関東地方整備局港湾空港部の馬場智港湾空港企画官は話す。今後は、海上での一括架設が可能かどうかの確認や復旧方法が未確定の径間の調査を急ぐ。