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 新滑走路の建設などを盛り込んだ成田空港の基本計画が、1966年の制定以来初めて改定された。近隣諸国の空港間で競争が激化するなか、増大する国際航空需要の取り込みを狙う。国土交通省が2019年11月5日に公表した。

 新計画では、供用中のA、Bの両滑走路に次いで、3本目となる延長3500mのC滑走路を新設(図1)。延長2500mのB滑走路を1000m延伸する。航空機が発着できる回数も年間30万回から50万回へ増やす。

図1■ 既存の滑走路と平行に新設
図1■ 既存の滑走路と平行に新設
改定された成田空港の基本計画で示された空港機能強化策(資料:国土交通省)
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 空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は11月7日、基本計画の改定を受け、国交省に空港施設の変更許可を申請。基本計画通りにC滑走路とB滑走路の新増設を行うほか、延長7471mの誘導路を新設し、空港敷地面積を1198haから2297haへ広げることを明らかにした。NAAは国交省の許可を受けた後、必要な用地の買収や工事を進め、29年3月末の完成を目指す。

 53年ぶりとなる基本計画の改定は、成田空港の機能強化を検討してきた国交省とNAA、千葉県、空港周辺9市町による18年3月の「4者合意」を受けて実施した。

 国交省などは15年9月に第3滑走路(C滑走路)の検討を開始。16年9月に具体的な空港拡張策を地元に提案した。住民からは騒音の悪化を懸念する声も相次いだが、夜間飛行制限を見直すなど地元との調整を進め、最終合意に至った。

横風用滑走路の計画を廃止

 新滑走路の検討開始から、わずか2年半のスピード合意。成田空港の“地盤沈下”を懸念する地元の危機感が後押しした。C滑走路の新設は、その象徴だ。

 C滑走路は1966年の基本計画で、横風による航空機の発着への影響を避けるため、主要滑走路と交差するように配置する「横風用滑走路」としていた。横風で主要滑走路が使えない場合でも、その風向きと同じ方向に配置された滑走路があれば、航空機の発着への影響を回避できるからだ。C滑走路はいわば、主要滑走路の代替路として計画されたのだ。

 しかし開港以来、横風で航空機の発着に支障が出るケースはほとんどなかった。海外でも、主要空港で横風用滑走路を設けている例は少ない。既存の主要滑走路と交差する配置では航空機の発着回数を増やせない。

 そこで、成田空港の機能強化を目指す国交省などは地元自治体との協議で横風用滑走路の計画廃止を提案。空港の競争力低下を懸念する地元の合意を得た。C滑走路はその4者合意に基づいて航空機の発着回数を増やせるよう、既存の2本の滑走路と平行に建設する。