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 水資源機構が栃木県鹿沼市で事業を進める南摩ダムで、1969年度の調査開始から約半世紀を経て本体工事が始まる。建設現場を一望できる広場を2020年11月1日に開放するなど、年度内の着工を目指して準備を進めている(写真1)。現時点で水資源機構が建設を計画している最後のダムだ。

写真1■ 2020年11月1日に一般開放した南摩ダムの展望広場から建設現場を望む(写真:水資源機構)
写真1■ 2020年11月1日に一般開放した南摩ダムの展望広場から建設現場を望む(写真:水資源機構)
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 南摩ダムは、利根川水系思川支流の南摩川に整備する。堤体の高さは86.5m、体積は約240万m3。総貯水容量は5100万m3だ。水道用水の供給と洪水調節、渇水対策を担う。導水路の建設などを含めた総事業費は約1850億円で、24年度の完成を目指す。20年12月に本体工事の契約を大成建設と結んだ。

 本体には、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)を採用した(図1)。水資源機構によると、近代的な締め固め方法などで建設する本格的なダムでは国内初だ。

図1■ コストを削減できるCFRDを採用
図1■ コストを削減できるCFRDを採用
南摩ダムの断面図。当初は一般的なロックフィルダムで計画していたが、周辺の地質や地形の調査結果、施工技術の高度化などを踏まえてCFRDに変更した(資料:水資源機構)
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 一般的なロックフィルダムは、土や岩石で造成した堤体の内部に「コア」と呼ぶ粘土質の遮水層を設け、水の流出を抑える。