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 大林組日野自動車はダムの建設現場内で、大型ダンプトラックによるレベル4相当の自動運転の実証実験に成功した(写真1)。最長1.3kmのルートを、最高時速30kmで走行した。ダンプトラックを使ったレベル4の実証実験は、日野自動車にとって初の取り組みだ。

写真1■ 夜間に稼働する自動運転ダンプ。自動運転のレベルは、特定の環境や条件下で無人走行する「レベル4」相当だ(写真:大林組、日野自動車)
写真1■ 夜間に稼働する自動運転ダンプ。自動運転のレベルは、特定の環境や条件下で無人走行する「レベル4」相当だ(写真:大林組、日野自動車)
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 実証実験は、三重県伊賀市で大林組・佐藤工業・日本国土開発JVが施工する川上ダムにおいて、2020年11月1日から12月16日まで実施した。

 コンクリート骨材を搬送する大型ダンプトラック「日野プロフィア」に、自車の位置を計測するGNSS(全球測位衛星システム)や白線を検知するカメラ、3次元レーザースキャナーのLiDARを搭載した(写真2)。

写真2■ 大型ダンプトラックの「日野プロフィア」をベースに、自動運転技術を搭載した(写真:大林組、日野自動車)
写真2■ 大型ダンプトラックの「日野プロフィア」をベースに、自動運転技術を搭載した(写真:大林組、日野自動車)
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 車両は、午後10時から翌日午前6時までの夜間に稼働する。日中はダム現場の外から骨材を搬送しなければならず、現場内の作業だけで済む時間帯を選んだ。同じ時間帯に稼働するダンプトラックは3台で、そのうち1台に自動運転ダンプを導入した。実証実験のため、緊急時に備えて運転手が搭乗しているが、運転は自動だ。

 「建設現場にある幅員の狭いカーブや急勾配の続く舗装道路1.3kmを、10分ほどで走行できた」。大林組西日本ロボティクスセンター施工技術部技術開発課の岡本邦宏氏は、このように振り返る。運搬時間は、有人ダンプとほぼ変わらなかったという。

 自動運転ダンプの場合、安全面を考慮して、現場内に10カ所ほどある一時停止線で止まる必要がある。加えて幅員の狭い道路を通るときは、時速20kmほどに減速しなければならない。それでも、作業工程に影響を及ぼさなかった。

 「今回の現場では、有人ダンプと自動運転ダンプが混在していた。いずれは全て無人にしたい」と、大林組の岡本氏は意気込む。