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 鹿島は、鉄筋コンクリート(RC)床版の一連の取り換え工種を並行して作業できる「スマート床版更新(SDR)システム」を開発した。橋梁上を移動するクレーン付き門形フレーム2台を使う。床版の架設速度は1日当たり40mで従来工法の6倍だ。交通規制の期間を短縮できる。玉掛けなどの自動化技術を組み合わせ、現場の「工場化」を進める。

 既設床版の撤去や主桁のケレン、主桁の高さの調整、新しい床版の架設という4つの工種を同時並行で進められる(図1)。従来の工法と比べて時間当たりの人工(にんく)は増えるが、施工の効率化などによって、工費を1割ほど抑えられる。

図1■ 4つの工種を同時並行
図1■ 4つの工種を同時並行
スマート床版更新(SDR)システムの概要(資料・写真:鹿島)
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 SDRシステムの中核を担うのは、架設機、撤去機と呼ぶ2台の門形フレームと、回転台付きの運搬台車だ。フレームの重さは16~20tで、既設桁への負荷を最小限に抑えた。

 床版の取り換え手順は以下の通りだ。まずは、作業員がRC床版と既設桁との接合部を切断。床版を輸送可能なサイズに分け、4カ所に穴を開ける。次に、撤去機のクレーン先端に装備した油圧ジャッキを床版の穴に差し込んで固定。持ち上げた床版をトレーラーに積んで搬出する。