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 日本道路は廃棄されるペットボトルを混ぜたアスファルト混合物による高耐久性舗装工法「スーパーPETアスコン」を開発した。舗装面積100m2当たり、1500本の廃ペットボトルを活用できる。従来の高耐久性舗装を上回る耐久性を持つ。

 アスファルト舗装への廃ペットボトルの混入には、花王が開発した特殊改質剤「NT(ニュートラック)-5000」を使う。家庭から出るペットボトルを分別、破砕した後、特殊脂肪酸や添加剤などを加えてかくはんしたものだ(写真12)。アスファルトプラントで、アスファルトや骨材、砂などと混ぜる。施工は従来のアスファルト舗装と同様に、フィニッシャーで敷きならすだけだ。

写真1■ 家庭などから出る廃ペットボトル(写真:花王)
写真1■ 家庭などから出る廃ペットボトル(写真:花王)
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写真2■ 破砕し、添加剤などを混ぜて作った特殊改質剤「NT-5000」(写真:日経クロステック)
写真2■ 破砕し、添加剤などを混ぜて作った特殊改質剤「NT-5000」(写真:日経クロステック)
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 日本道路は49kNの輪荷重を14時間連続で往復走行させたホイールトラッキング疲労試験で、わだち掘れに対する抵抗力を確認した。

 耐久性が高いとされる半たわみ性舗装が39.2mmの変位量だったのに対して、スーパーPETアスコンは1.7mmだ。他の試験で、耐水抵抗性についても確認している。

 「ペットボトルの材料であるポリエステルの強度を生かしながら、親油性のアスファルトと親水性の石がよくなじむような改質成分を組み込んだ」(花王ケミカル事業部門機能材料事業部の吉川竜平エコインフラ部長)。特殊改質剤で石とアスファルトの接着性を高めた。

 開発した工法の材工共のコストは半たわみ性舗装と同等だ。2000m2の舗装を施工する場合、工程は半たわみ性舗装の5分の1に短縮できる。セメントミルクを流し込む工程がなくなるためだ。

 日本道路はこれまでに、スーパーPETアスコンの試験採用を全国で進めてきた。施工した面積は1万2000m2を超える(写真3)。

写真3■ 大手運送会社の敷地内で実施した、スーパーPETアスコンの試験施工の様子(写真:日本道路)
写真3■ 大手運送会社の敷地内で実施した、スーパーPETアスコンの試験施工の様子(写真:日本道路)
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 今後、高耐久性が求められる公共道路や物流施設の駐車場などへ、開発した舗装を提案していく。

 さらに、耐久性がそこまで求められない舗装や粗骨材の量が多い砕石マスチック舗装、維持補修用の薄層舗装などに廃ペットボトルを混ぜる開発も進めている。