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 大成建設は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減する環境配慮コンクリート「T-e Concrete」を使った土木・建築用2次製品の開発・普及を加速させる。土木や建築の資材メーカーなど8社から成る「T-e Concrete研究会」を設立。研究会では既にボックスカルバートやL形擁壁などの試作品を開発済みだ(写真12)。

写真1■ 環境配慮コンクリートを用いたボックスカルバート(写真:大成建設)
写真1■ 環境配慮コンクリートを用いたボックスカルバート(写真:大成建設)
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写真2■ 環境配慮コンクリートで造ったL形擁壁(写真:大成建設)
写真2■ 環境配慮コンクリートで造ったL形擁壁(写真:大成建設)
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 環境配慮コンクリートとは、産業副産物である高炉スラグやフライアッシュなどを結合材に使うコンクリートだ。高炉スラグ微粉末を使った「セメント・ゼロ型」や「フライアッシュ活用型」、JIS(日本産業規格)に基づく材料を使う「建築基準法対応型」などに分かれる。二酸化炭素の削減率が異なる。

 二酸化炭素の排出を最も抑えられるのがセメント・ゼロ型だ。一般的なコンクリートと比較して、製造過程で生じる二酸化炭素の削減率は最大で80%に達する。セメント・ゼロ型は、高炉スラグと反応を促す刺激材とを質量比8対2で混ぜる。刺激材とは消石灰や炭酸カルシウム、膨張剤を適切に混ぜたものだ。

 コンクリートの性能は、グリーン購入法で特定調達品目に指定されている高炉セメントB種を使用したコンクリートと同等以上だ。材料費は従来の2次製品と同等程度を見込む。ただ、用途によってはコスト面で大きなメリットになるケースもある。

 大成建設が環境配慮コンクリートを開発したのは2014年だ。高炉スラグ微粉末を使うセメント・ゼロ型は、建物の土間コンクリート、階段や床材の天然石材の調建材などに適用した実績がある。同社はセメント・ゼロ型などの商品開発をさらに積極的に進めるために研究会を設立。會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)や立花マテリアル(大阪府豊中市)など8社が参加している。

 大成建設は環境配慮コンクリートの材料や施工のノウハウを提供する。8社はそれらを基に、得意な製造技術などを生かして多様な商品開発を進める。開発した製品は各企業が独自に外販する。大成建設は自社が請け負う工事で積極的に製品を使う他、参加する企業の販売量に応じて特許使用料を受け取る。